彼はクールフェイス☆~初カノは笑顔系~
ご
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「自分から喧嘩してるんじゃないのはわかるけど……あんまり心配させないで?」
いつものように、また喧嘩した俺の傷を手当してくれるミュウのお小言を聞きながら、その横顔を見て思うこと。
それは最近よく考えてる。
おれ達付き合ってからしばらく経つけど、普通カップルがするラブラブというかイチャイチャというか……そういうこと今まで一回もない。
試みなかった訳じゃないけど、いざ彼女を前にすると変に意識しちゃってとてもじゃないけど無理だし……。
二人きりになっても面白い話一つ出来ない、笑ったりとか優しい顔向けたりとかも出来ない。
ミュウから話題振られても「あぁ…」とか「ん…」とか内容が無い返事ばっかり。
だから最近特に不安になる。
「はい、おしまい」
そう言ってパタン、と救急箱を閉めて立ち上がるミュウの後ろ姿を見たら……なんだか感じたこと無いくらい大きい不安が襲った。
俺といて楽しいのかな―――――
「ん?…何?」
振り返って不思議そうに小首を傾げるミュウ見たら……なんか愛想尽かして遠くに行っちゃいそうで。
こんなに好きなのに。
ミュウと離れたくなかった。
できれば一生一緒に居てほしい。
そう思ったらポロッと口から出ちゃってた。
「ミュウは俺と居て楽しい?」