彼はクールフェイス☆~初カノは笑顔系~
赤い屋根の白い一軒家。
そのままばあちゃんを送り届けて、すぐにその場を後にしたんだけど……
あの時の相手、うちの三年だったんだ。
俺の顔もバレてる。
すぐに呼び出されて、因縁付けられた。
喧嘩は好きじゃないけど、不本意ながら場慣れはしてるから弱い方じゃない。
でも、今回は油断した。
落ちてた廃材振り回されて腕と顔に痛みが走った。
血が目に入って視界が塞がれる。
片目だけでなんとか追い払ったけど、今回はさすがに肉体的にも精神的にも辛い………。
そんな時だった。
「小池くん!」
ガラッと窓が開く音がして、自分を呼ぶ声。
辛い身体を動かして声のする方を見ると、保健室の窓を開けてこっち見てるのは、同じクラスの……成宮?
クラスでもあんまり目立たない方の娘。
でも意外にしっかり者だし、色白で髪もフワフワの……俺の中じゃ割と可愛い印象だったりする。
慌てて飛び出して来てしきりに保健室に誘ってくるけど、この時の俺はついて行く気はなかった。
俺に関わるとろくなことないから……………
そんな俺の気持ちを動かしたのは……俺を見上げる成宮の瞳だった。
ドキッ
心配そうに見上げる瞳が潤んでて、なんだかとっても可愛くて。
なんでか、こいつに心配させたくない……そう思った。
身体に力が入らなくて、思わずよろける俺を支えてくれる小さな身体。
柔らかくて細くて……でもしっかり支えてくれる。
俺みたいなのを労ってくれる、その優しさと芯の強さに心惹かれた。
この時から俺は成宮が好きになった―――――