彼はクールフェイス☆~初カノは笑顔系~
ミュウの心の内を聞いて、改めて「好き」を実感した。
上辺だけじゃない、心底俺のことを理解してくれる。
こんな奴、多分二度と現れないだろう。
一生大事にしたい―――――――
そう思って、彼女を愛おしく見つめると…………超険しい顔。
何!?
「ヒナタこそ、どうして私とつきあってるの?」
ミュウの口から信じられない言葉が紡がれる。
何か言わなきゃいけないのに、咄嗟に口から出てこない。
「どうして私と付き合ってるの?本当に私のこと好き?…………わかんないよ」
好きだよ。そんなの決まってる!
心で叫べど、口からそれが出てこないのがもどかしい。
思ってること、すんなり喋れればいいのに!呪うぞ?この性格。
もしかして俺、脳と口……繋がってないのか?!
俺が何にも言わない(言えない)でいるうちに、険しく強張った表情がみるみる崩れて、泣き顔に変わる。
目に一杯溜まった涙が、行き場をなくして頬を伝う。
ガタン!
「んもっ、いいよっ!」
なんの返答もしない俺に業を煮やしてか。
急に椅子から立ち上がって後ろを向くミュウの背中………震えてる。
ヤバイ!
そう思ったら、ぱっとその手を掴んでいた。