彼はクールフェイス☆~初カノは笑顔系~




「待って」


「何っ?」







手を捕まれて、進行を止められたミュウが勢いよく振り返る。

その目に一杯涙を溜めて………

それを見たらもうダメだった。

言えないだのなんだの言ってる場合じゃねぇだろ。
今言わなきゃいつ言うんだよ!






「…好きだったから」







やっと絞り出した言葉に、ミュウの顔超ビックリしてる………







「好きだったんだ。あの雨の日よりずっと前から。………だからあの時好きって言ってくれて…チャンスだと思った」







それから。
言い訳がましいけど、自分がこの性格………無口で無表情なのを結構悩んでて、それをわかってくれるミュウを「こいつなら」って思ってることを、言葉足らずだったかもしれないけど、伝えたんだ。






最初は「愛情は言葉に出して伝えてほしいの!」なんて怒ってたけど、最後まで俺の話ちゃんと聞いてくれた。







そしたら急に泣きべそ顔が、くしゃって笑顔になって………拍子抜け。

まぁ、不覚にもキュン☆ってしたけど。ヤバイ俺、ほんっとにこの笑顔に弱いかも。







「なんだよ…さっきまで泣いてたくせに」








照れ隠しでそんなこと言うと「へへっ、もういいや」って笑ってくれて。









そしてさ―――









「ヒナタ好き…大好き☆」










俺が世界中でいっちばん、それこそどんな物とも変えられない嬉しい言葉をくれたんだ。








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