彼はクールフェイス☆~初カノは笑顔系~
恥ずかしそうに腕に絡み付いてくるミュウからはシャンプーの甘い香り。
どれもこれも、ずっと俺のもの。
幸せ過ぎてもう胸がいっぱい。
「ミュウ」
くるりと回して自分のほうに向ける。目と目が合う。
澄んだ綺麗な目を見つめると、素直に口から出てくる。
「好きだ」
「へっ?」
そんな鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔しちゃって。
今、初めて「ミュウ」って呼んだ。
ドキドキもんだったけど、今逃したら一生「成宮」のままかも知れねぇもん。
「好・き・だ」
念のためもう一度復唱。
もしかしたら、自分の為だったかも知れない。
初めて好きな人の前で、口にした幸福を噛み締めたくて……………ってとこかな。
「うん…嬉しい」
ホントに嬉しそうに笑うミュウをみてたら「言ってよかった」って心から思えたんだけど――――――――
「教室、戻ろ」
なんて現実に引き戻されると……うわっ、ヤバイ超恥ずかしい俺!
幸福浸りすぎじゃん!
つうか、一生ってなに!結婚ってか?何先走っちゃってんの~?
顔赤くなるのわかったし、恥ずかし過ぎて、ミュウの顔まともに見れない。
思わず背中向けちゃった。
「ヒ~ナタ♪」
「……?」
名前呼ばれて、反射的に振り向いた視線の先………
「!!」
ミュウちゃん?これって……明らかに「チュウして下さい☆」ポーズでは?