彼はクールフェイス☆~初カノは笑顔系~



「大輔……ちょっといいか」




親友の木村大輔。

ガキの頃から一緒にいるから気心知れた仲。
俺と違って女子にも人気がある。






「ん~?何?」


「俺、好きな奴できた」


「んごっ!?………ゲホッ、ゲホッ」







大輔の奴、飲んでたイチゴオレ………眺めてた雑誌の上に吐き出した。







それさ…俺のなんだけど。









涙目になりながら、近くにいた女子に貰ったティッシュで雑誌を拭いつつ俺を見上げる。




「ヒナタ~…なんでそんなこと、顔色ひとつ変えないで言えんだよぉ」


「変わってないか?一世一代の、嬉し恥ずかし告白なんだけど」








俺にしたら超恥ずかしい相談。


だって、今まで女の子好きになったことなんか無いから、いわば初恋。



だから当たり前だけど、どうしたらいいかなんてわかんない。

暫く考えた末、大輔に相談しようと思った訳だけどさ。








「もっとこう……ハニかむとか、頬を赤くするとか、色々あるだろ~?」



「こう?」






恥ずかしい気持ちを表そうと、ちょっと笑って見せる。




それを、ジ~ッ……と見てた大輔が残念そうに首を振る。

なんでだよ。







「……それはニヒルな笑みですな。まぁいいや、で?」


「で?って?」


「相手は誰よ」







声を潜めて寄ってくる。
なんでコイツこんなに楽しそうなんだ?






「あいつ」







チョイと俺が指差した先には……廊下側の一番後ろの席で、三人の女子達と楽しそうに笑ってる成宮がいた。


白い肌に笑顔が可愛い。







「どいつよ」







イマイチどの子だかわかってない大輔のネクタイを、おもむろに掴むとグイッと引き寄せた。







「成宮」


「うそ…っ!」




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