彼はクールフェイス☆~初カノは笑顔系~
にぃ




「うっわ………ヒナタ、外見ろよ。雨凄ぇぜ」








内緒で視聴覚室に持ち込んだ映画の干渉会。


終わって外を見れば、土砂降りの雨。








「朝は降ってなかったのに~……俺傘ないよぉ」


「俺はある」


「まぁじでぇ!ヒナタちゃん、相合い傘お願いしゃっす♪」





ニカッと八重歯を見せ笑う大輔。

調子いい奴~。







「まっ、いっけど」

「いよっしゃ♪ついでに駅前で何か食ってこうぜ……って、あれ?」






昇降口の外に目をやる大輔の視線の先。



見覚えのある後ろ姿。

フワフワの黒髪を揺らして空を見上げてるのは……成宮?





この土砂降りの中、外に出ようとしてるのがわかって、俺も慌てて……つい、その細い腕を掴んでしまった。






ぱっとその身体が振り返る。
フワリと香るシャンプーの甘い香りが鼻をくすぐる。




「小池くん?」






ビックリしたように目を見開いて見つめてくる愛しいその人を前に………どうしたらいいかわからない。







「お~、ヒナタどうした?」







そんな俺の気持ちを察してか、後ろからひょっこり顔を出した大輔は、成宮が居ることに気付かなかったかのようにビックリして見せる。






「あれ~?成宮じゃん」






そんな大輔を見上げながら親しげに喋る成宮(ちょっとヤキモチ)。

でも笑顔がやっぱり可愛くて胸がキュンとする。




成宮が傘を持ってないってわかって、一瞬こっちをチラッて見た大輔……何?








「俺全っ然反対方向に用事あるんだった。じゃ~ね♪」






止める間もなく、パシャバシャかけて行く大輔の後ろ姿を見送る。


つうか、この状況……二人きり!?






< 5 / 25 >

この作品をシェア

pagetop