三国志の世界で、死亡フラグが立ってる男と復讐を誓う男から追い回されてます。どうしたらいい?
「はぁはぁはぁ」
黒装束を着ていた女が、森の中を走っていた。
そして、草むらの中に隠れた。
「刺客はどこへ行った」
2m以上の体が大きな武将が、左右を見ながら大きな声で叫んだ。
「見失いました。典韋様」
部下が言った。
「何としても探せ。曹操様の敵だ。行くぞ」
「ハ」
典韋達は行ってしまった。
「はぁはぁはぁ。どうしよう(×_×)!!
私、三国志の歴史を変えてしまった。
∑(゜д゜)!!」
頭を抱えるアイだった。
○数ヶ月前
・・・・
「この世界で、イケメンはいなかなぁ~」
アイは、辺りをキョロキョロ見ながら言った。
私はなんと、かの有名な三国志の世界にいるのだ。
三国志と言うのは、日本で言う戦国時代みたいな所で、
英雄達が天下統一を目指して戦っていた時代なんだ。
なぜ詳しいのかって?
それは、三国志ゲームマニアだからよ。
( ̄▽ ̄)エッヘン
だから、三国志の世界に来て嬉しかったんだ~(^○^)/
有名武将の会えると思ったの。
特に、文武両道でイケメンで性格の良い
趙雲様とか、
趙雲様とか、
趙雲様に会える~(^○^)/
と思ったの
でも、現実は厳しかった。
趙雲様はおろか、有名武将にも会えなかった。(TдT)え~ん
それに悲しい事に、自分の体じゃなく他の人になっていたんだ。
可愛い顔だったら良かったんだけど。
顔も普通だし、体型も普通で面白みもない。
しかも、左肩に小さな謎のタトゥーがあった。(TдT)がーーん
ただ、1つだけ良い所は天然パーマな所
( ̄▽ ̄)!!
昔から憧れてたのよね~。(^○^)/イエーイ
せっかく、三国志の世界に来たんだから楽しまないと損。
という事で、私は3つの目標を立てたの
①お金持ちになる
まぁ~お金が大好きな私にとっては、当然の目標よね~
お金があれば色々買えるし、国を操る事が出来るかも( ̄▽ ̄)フフフ
私には他の人が持っていない武器がある。
それは、三国志と現代の知識。
この知識を上手く活用すれば、大金をゲット出来るはず( ̄ー ̄)!!
②イケメンをゲットする。
現代では自分に自信が無くて、勇気が出なくて、断れるのが怖くて
・・・・1回も好きな人に告白出来なかった。
そんな自分が嫌で嫌でしかたなかった。
だから、今回は後悔しないように告白したい。
どうせ告白するなら、
イケメンでしょ( ̄▽ ̄)!!
今まで、本当はイケメンと話たかったけど、
狙っている人達の視線が気になって遠慮してた。
だけど、今回は自分の欲望のままに行動する。
私みたいな魅力の無い女は、イケメンをゲットするために行動するしかない。
気に入ったイケメンに、どんどんアタックをするつもり。
私なら出来るはず。きっと出来る。嫌な自分を変えてやる~~~!!!!!
絶対にイケメンをゲットするぞーーー(^○^)!!
③趙雲様に会う
最後は、憧れの趙雲様に会わないとね。
そして、あわよくば趙雲様とあんな事やこんな事を・・・・( ̄▽ ̄)デヘヘヘ
( ̄▽ ̄)ニヤニヤが止まらないアイ
・・・・あ(°○°)!!
いけない。いけない。
全然変な事なんて、想像してませんよ。
全然・・・( ̄▽ ̄)ヘヘヘ
幸せそうな顔で、妄想にふけるアイ( ̄▽ ̄)デヘヘヘ
「お母さん。何であの人、道端で笑っているの?」
アイを見ていた子供が母親に質問をした。
「見ちゃいけません」
子供の目を手で目隠して、そそくさ去って行った。
アイは、まだまだ( ̄▽ ̄)ニヤニヤ妄想しながら歩いた。
「いた!! 何よこれ。」
妄想していたので、全く気づかず何かにぶつかった。
よく見ると一本の丸太が地面に刺さり、上の方にある平らな板に何か文字が書いていた。
「なになに。稼ぎたい人を募集。アルク商団?
ふーん。私には関係ないわね」
過ぎ去ろうとしたアイ
「ぐぅうううううううううう」
大きなお腹が鳴った。
頬を赤らめて他の人に聞こえてないか、キョロキョロ辺りを見回すアイ。
「ふぅ~。他の人には聞こえなかったようね。( ̄ー ̄)よしよし。
でも、お腹すいたなぁ~・・・・そうだ!!
さっきのアルク商団に行ってお金を稼ごう
(^○^)!!」
「ぐぅうううううううううううううう」
さっきより大きなお腹の音が鳴ったので、手で押さえて、
辺りを(゜゜)キョロキョロ見ながら、恥ずかしそうに小走りで行くアイだった。
○アルク商団
店の中に通されて、身なりの良い美人で巨乳の女性ミクがいた。
「あなた、その格好で受けるの?」
アイの格好を見て言った。
「うん?」
アイは自分の服を見た。
(しまった~(°д°)!!
今から面接をするのに、ドロだらけの汚い服じゃん
第一印象が悪るくなる~。 どうしよう~)
オタオタするアイ
「フン」
勝ち誇った様に、鼻で笑うミク。
(何こいつ。感じ悪い~( ̄3 ̄)ブーブー
絶対面接で、ぎゃふんと言わせてやるんだから)
メラメラ対抗心を燃やすアイだった。
二人が呼ばれて奥の部屋に入ると、
商売繁盛と書かれていたハチマキをしたお爺さんのライガと、
ほっそりした男タタルが座っていた。
「では、なぜうちの商団に入ろうと思ったんだ?」
タタルが言った。
「御社の馬を扱った商売に魅力を感じたからです。
今の時代は戦いが多いので、馬の需要が増えて伸びる分野ですし、
堅実な経営をされている所にも素晴らしいと思いました。
また、私は鉄壁商団で働いていた経験を生かして、
人脈、情報、営業の部分でお役に立てます」
「優秀な人しか入れないで有名な鉄壁商団か? 凄い大きな商団じゃないか。」
「ええ」
ニコリと笑うミク。
タタルは、前のめりになってミクにどんどん質問をした。
(まず~~~い(×_×)
このままでは、この女だけが受かってしまう。
どうしよう。どうしよう。
何か言わないといけないけど、商団の事を何も調べてなかったから何も言えない。
どうしよう~~~)
( ̄д ̄)オロオロするアイ。
「ぐぅううううううう」
大きなお腹の音が鳴ってしまった。
一斉にみんなアイの方を見た。
「あはははは。お腹なっちゃいましたね」
笑って誤魔化すアイ。
「そう言えば・・・」
完全にアイの存在をすっかり忘れていたタタル。
「何でウチに?」
アイの格好を見て、胡散臭そうな顔で聞いた。
「募集の広告を見た時に、私でも出来そうと思いました。
商団で働いた事はありませんが、常識にとらわれない発想で提案し、
この商団を大きくしていきたいです。」
(決まった( ̄▽ ̄)!!)
上手くいったと思ったアイ。
「新しい発想ね~。具体的には?」
「え?」
動揺するアイ
(意見なんて無いよ~(×_×))
「具体的な意見があるんだろ?」
「え~っと。1分だけ時間を貰えますか?」
ミクは鼻で笑っていた。
アイはムッとしたが、必死に怒りを抑えて考えた。
(提案提案。何かないかなぁ~。
この商団は馬を扱うらしいから、馬を使った商売の提案をした方が良い。
現代で馬を使った商売と言えば何だ?
馬、馬、馬と言えば・・・・そうだ(^○^)!!)
「どうせ。意見なんて無いんだろ。終わりだ」
「ちょっと待ったーーーー!!」
手で制した。
「( ̄▽ ̄)フフフ。私に素晴らしいアイディアがあります。」
自信満々のアイ。( ̄▽ ̄)キラリ
「何だそれは?」
「競馬です。」
「競馬?」
「はい。レースで勝つ馬を予想して、着順を当てるゲームです。」
「それで?」
「やり方は、お客様が1番速い馬を予想して、金額を賭けます。
当たれば、【オッズ×金額】のお金が入る仕組みになります。
オッズは、お客様がどの馬に投票したかによって、変動します。
強い馬には、オッズが低くなり、弱い馬には高くなります。
一気に稼ぎたい人は、的中率が低いけど、オッズが高い馬を選べば良いですし、
コツコツ稼ぎたい人は、的中率が高いオッズの低い馬を選ぶと良いわけです。」
「ほぉ。なるほど。面白い」
さっきまで黙っていたライガが目を輝かせて、前のめりになってアイの話を聞いた。
ミクは、目を大きく見開いてビックリしていた。(°д°)
アイは腕をまくって、競馬のメリットを説明した。
【メリット】
①主催者は、お客の8割は負けてしまうので、非常に儲かります。
②レースに馬を出す人は、レース毎に莫大な賞金が出ますし、
勝てば名誉を得る事が出来ます。
③お客様は、安い金額で儲ける事も可能ですし、
見ていて面白いので病みつきになります。
④楽しくお金を稼ぐ事が出来るので、人がどんどん集まりますし、
グッズや食べ物など販売すれば、さらに儲かります。
⑤国に貢献出来ます。
速い馬を手に入れる事が可能になるので、戦いを有利に進めますし、
沢山の税金を安定して支払う事が出来るので、喜ばれます。
「どうです?私の案は?」
「こんな事よく思いついたな~。素晴らしい案だ。なぁ~タタル」
「そうですね。父上」
上機嫌な二人。
(( ̄▽ ̄)フフフ。勝った!! どうよ?)
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑ってミクの方を見た。
顔をしかめるミク。
「素晴らしい案とは思いますが、
時間とお金が掛かって現実的には難しいでしょう」
ミクが言った。
「何でよ」
ミクの方を向いてアイが言った。
・・・
「なぜなら、この小さい商団にはそんなお金は無い。」
「うん?小さい?」
目をパチパチさせて小声でライガが言った。
・・・・・
「だったら、他の所と協力すれば、こんなちっぽけな商団でも出来るはずよ」
「ちっぽけって・・・」
肩を落とすライガ
「せっかく作っても、資金力がある大きな商団や国が真似されたら、
・・・・・・
しょぼしょぼ商団も終わりよ」
「しょぼしょぼ」
魂が抜けた顔のライガ
・・・・・・
「こんなしみったれた商団でも、やってみないと解らないじゃない。」
「・・・・・」
もう何も言う事が無いくらい、沈んだ気持ちでうな垂れるライガ
「反対するのは、私の案に嫉妬してるからでしょ?」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑うアイ
「そんわけない。このチリチリ頭が」
「何ですってー。この乳デカ牛が」
「はぁー。言ったわね」
「そっちこそ」
お互い髪の毛を両手で掴んで、ケンカをし始めた。
「いい加減にしろぉーーーーーーーー!!」
ライガが叫んだ。
争っていた二人は、お互いの毛を掴んだ状態でピタリと止まった。
「二人とも落とされたいのか」
「申し訳ありません」
ミクは直ぐに土下座をして謝った。
「すいません」
アイはふて腐れた顔で言った。
「よし。君達に課題をやろう」
『課題?』
ミクとアイは同時に言った。
「1週間やるから、元手が100円で多く稼いだ方を採用する」
「!!!!」
ビックリする二人。
「たった100円ですか?」
アイが直ぐに聞いた。
「そうだ。自信が無いのか?」
「いえ。私は自信があります」
ミクが、きっぱりと言った。
(たった100円でどうやって稼ぐのよう~)
考え込むアイ。
「私は・・・・」
チラリとミクの方を見た。
「どうしたの? 無理しなくて良いのよ。
( ̄▽ ̄)ホホホホ。
どうせ。私には勝てないんだから」
自信満々の笑みでアイを見返した。
(ムキーーーー( ̄3 ̄)!!
こいつには、負けたくない負けたくない負けたくない
絶対に勝つ!!)
気合を入れるアイ。
「やります。やらせて下さい。」
大きな声で言うアイ。
そして、ミクとアイは睨み合いをした。
「よし。では今からスタートだ」
ライガが言った。
「せいぜい。頑張る事ね」
「そっちこそね」
『フン』
二人は顔を背けた。
そして、100円を貰って二人とも大急ぎで、店を後にした。
○町
「はぁ~。こんな100円でどうするのよ」
手にある100円を見つめながらため息をするアイ。
「とりあえず、お店に行ってヒントでも探しますか」
アイは野菜を売っているお店に行った。
すると、店員とお客が揉めていた。
「早く計算しろ」
「うわぁああ。すいません」
大量に野菜を買ったお客が、計算の遅い店員を怒っていた。
「100円のなすが4つ。50円のにんじんが3つ。200円のキャベツが4つ。
だから、えーっと」
「全部で650円だろ」
「ああ。そうなんですか?
計算をしてくれてありがとうございます。
では、650円になります」
「たっくー仕方ない。今度から俺が計算してやるよ」
ニヤリと笑う客は、650円を渡した。
「そうですか。計算が苦手なもんで凄く助かります」
「じゃあな」
「ちょっと待ったーー( ̄○ ̄)!!」
アイは帰ろうとしたお客を引き止めた。
「何だお前は」
「あんた。650円じゃないでしょ」
「何を言うんだ」
動揺して目が泳ぐ客。
「全部で1350円でしょ。」
「え?そうんですか?」
「そうよ。
100円のなすが4つだから、100円×4つ=400円
50円のにんじんが3つだから、50円×3つ=150円
200円のキャベツが4つだから、200円×4つ=800円
合計が1350円。
さぁ~残り700円払いなさい。それとも役所に行く?」
凄んだ顔で客に近づき、手を出して催促した。
「ちぇ。解ったよ」
しぶしぶ700円を渡して帰って行った。
「はい。700円」
「ありがとうございます。ありがとうございます」
店員にお金を渡して、大喜びの店員だった。
「じゃ。謝礼ちょうだい」
アイは手を出して催促した。
「はい?」
首を傾げる店員
「私が助けなかったら700円の損だったのよ。
だからお礼をして貰わないと」
手でクレクレと催促した。
「それはちょっと」
渋る店員。
「ケチね。だったら、私が計算の仕方を教えるから授業料をちょうだい」
「本当ですか? それだったら授業料を支払います。
計算ミスが多くて困っていたんですよ」
「それで授業料はいくら貰えるの?」
「えーっとですね。100円でどうでしょ」
笑顔の店員
「はぁ?
あんた。ふざけてるの」
怖い顔で店員に近寄るアイ
「い、いえ。じょ、冗談ですよ。お、おいくらですか?」
アイの迫力に圧倒されて、怯えながら答える店員
「そうね。家庭教師の時給が2000円くらいだから、2000円でいいわ」
「え?そんなに高いのはちょっと・・・・」
渋り出した。
「わかったわよ。
今回は初回サービスと言う事で1000円で良いわ。
授業内容が良ければ、次回から2000円という事でどう?」
「う~ん。解りました。良ければ次回から2000円払います。」
「( ̄▽ ̄)フフフ。契約成立ね。」
満面の笑みのアイ。
「じゃー。紙と鉛筆を貸して」
「紙と鉛筆?」
店員は首をかしげた。
(ああ~そうか。この時代は、紙が高価だから一般の人に使う習慣がないのね。
それに、鉛筆に関しては存在すらしてない訳か~)
「何か書く物と記録するする物よ」
「ああ。解りました。」
店員は納得して、店の中に取りに行った。
「はい。どうぞ」
店員はアイに手渡した。
「これが紙の代用として使われていた竹簡か~
すだれの竹の部分を平らにした感じね」
七夕で願い事を書く短冊の様な形で、
平らに削った竹を並べて、紐でしばった物。
巻物の様に丸める事が出来る。
アイはまじまじと見た。
そして、店員が持っている硯と筆を見た。
(書道のように筆で書くのね。へぇ~面白い~(^○^)/
昔はこんな物を使って文字を書いてたのね)
感心するアイだった。
店員に硯を持ってもらって、竹簡に文字を書いていった。
「何を書いているんですか?」
「慌てない。慌てない。(^○^)♪♪」
体を揺らしながら、リズムに乗って書いていった。
「よし。出来た」
アイは店員に書いた物を見せた。
「これは何ですか?」
「九九の表よ」
「九九?」
「そう。計算する時にこの表に書いてある事を暗記していると、
計算が速くなるの」
「へぇ~。そうねんですか」
「例えば、さっき100円のなすが4つの計算をしたでしょ。
私が頭の中で計算したのは、1×4をしたの
表には何と書いてある?」
「えーっと。1×4=4です。」
「そう。後は位が100円だから、0を二つ付けて400円になるの」
「なるほど。じゃー。50円のにんじんが3つの時は、
5×3だから、えーーっと15ですね。」
表を見ながら答える店員。
「そう。後は位が10円だから、0を1つ付けて150円になるの」
「素晴らしいです(^○^)!!」
大喜びする店員。
「でしょ。後は暗記すれば直ぐに計算出来るわ」
「なるほど。なるほど。頑張って暗記します」
「暗記のコツは、空いてる時間を利用して、
何回も反復すれば覚えやすいわ」
「そうなんですね。ありがとうございます。」
「次回はちゃんと覚えたかチェックして、新しい事を教えてあげる」
「解りました。」
「例の物を」
手で、( ̄▽ ̄)クレクレと催促した。
「あ!!。はい。解りました。どうぞ」
1000円をアイに渡した。
「まいど~(^○^)/
それじゃ~。頑張って暗記してね。バイバイ~(^^)/」
「はい。頑張ります」
丁寧にお辞儀をして、アイを見送る店員。
「いや~儲かった。儲かった。(^○^)w
意外な所からお金をゲット出来た~。
私って天才かも( ̄▽ ̄)フフフ」
アイは手に入れたお金を見て、( ̄▽ ̄)ニヤニヤが止まらなかった。
「ねぇ~。そこの人」
「・・・・・・・・」
「そこの美人なお姉さん」
「・・・・・・・・」
「あ!! お金が落ちてる」
「え!!∑(°д°) どこどこ」
アイは、必死になって地面を見回した。
「チャリン」
お金が落ちる音がしたのをアイの耳は、ピクピク動いて見逃さなかった。
「あ!!発見(^○^)!!」
素早く1円が落ちていたので、
拾ったアイは( ̄▽ ̄)ニヤリと笑った。
そして、オカッパ頭で背が低い、裕福そうな一人の女の子がいた。
「あなた。お金が好きなんだ」
笑顔で言うチイ。
「そりゃ~。そうでしょ。お金があれば色んな事が出来ますからね」
むくっと立ち上がったアイ。
「だったら、仕事を頼みたいの」
「は?仕事?」
(どう見ても、子供ぽいけど・・・( ̄― ̄)怪しい~)
チイを下から上へと見て、不審そうな顔で言った。
「私の変わりに見合いに出て欲しいの。」
「え!!見合い?」
突然言われて困惑するアイ。
「どうしても断れない見合いがあるんだけど、
ブサイクナな男って話だし、まだ結婚したくないの。
だから、あなたが代わりに出て、向こうから断るよに仕向けて欲しいの。
そうすれば、父も納得するから」
「なるほど。相手に結婚したくないと思わせれば良いのね。
それで、何で私に頼むわけ?」
「さっきの店員とのやり取りを見させて貰ったわ。
機転が利いて頭が良さそうだし、お金に執着がある。
それに・・・・・」
アイを下から上まで見た。
「何よ。じろじろ見て」
「男の人にモテなさそうだから適任ね♪♪」
( ̄▽ ̄)ニコリと笑うチイ
「あんた失礼ねーーー( ̄△ ̄)!!」
「どうするの? やる?やらない?」
「やっても良いけど、報酬次第ね。これくらいわ貰わないと」
人差し指をチイの前に、びっしと出した。
(まぁ~1万くらいが相場でしょ。時間もそんなに掛からないし、
何よりお腹一杯料理を食べれるから儲けものよね。)
不敵な笑みを浮かべるアイ。( ̄▽ ̄)フフフ
「そう。思ったより安いのね。解ったわ100万円支払うわ」
「えーーーーー∑(°д°)」
目を大きく見開いてビックリするアイ。
「あら。足りない?」
「ウンウン」
顔を激しく左右に振った。
(ウソーーー∑(°д°)。めちゃくちゃ儲けたじゃない。
これで、課題クリアだ( ̄▽ ̄)イエ~イ~~~♪♪)
内心凄い嬉しい気持ちを押し殺して、平静を保つアイ。
「それじゃ~。やってくれるのね」
コクコクと頷くアイだった。
「名前は?」
「アイと申します」
態度を180度変えて、丁寧にお辞儀をするアイ
「それではアイ。私の後をついて来て」
「ハイ。お嬢様」
満面の笑みで答えるアイだった。
(いや~~。私今日ついてるわ~( ̄▽ ̄)!!
これも、日頃の行いが良いからだわ。
( ̄▽ ̄)フフフ)
アイは( ̄▽ ̄)シメシメと思いながら、チイの後をついていった。
○豪華な店
「本場の中国料理は美味しい~( ̄▽ ̄)♪♪
店員さ~ん。お代わり~~~♪♪」
お腹が凄く凄く空いてたアイは、マーボー豆腐やチャーハンなどの中華料理を
バクバクと凄い勢いで美味しそうに食べた。
そして、食べ終わった皿を上に上げて、店員にお代わりを催促したていた。
待っている間、チラリと少し離れた席に座る子供っぽいチイを見た。
チイは足をブラブラさせて、
両手でジュースみたいな飲み物が入ったコップを持って飲んでいた。
「どうみても、子供にしか見えないな~。
本当に大人なら、凄く童顔よね~
若く見えて羨ましい~な~~
それに引き換え私は・・・・・・ふぅ~」
アイは、深いため息を付きながら一人事を言った。
「それにしても、お相手の人遅いわね。」
キョロキョロ辺りを見渡していた。
周りから変な目で見られていた。
(( ̄▽ ̄)フフフ。狙い通り。狙い通り
ドロだらけの服を着た女が、こんな豪華なお店でバクバク食べているんだもん。
変な人と思うわよね。( ̄▽ ̄)フフフ。これで嫌いになるはず)
一瞬ニヤリと笑って、またバクバクと食べ出すアイ。
一人の男が、アイの天然パーマに付けてある赤くて高価なかんざしを見て近づいて来た。
「失礼ですが、鉄壁商団のチイさんですか」
「そ・う・で・すよ」
モグモグしながら答えて、ぱっと相手の男を見た。
(ウソーーー。イケメンじゃない∑(°д°)!!)
男が気品のある佇まいで席に座った。
「私は、曹操様配下の陳宮と言います。」
「ブフーーーーーー。えーーーーーー!!(゜○゜)!!
・・・・・・・・・・
死亡フラグ立っている陳宮じゃん∑(°д°)!!」
アイは余りに驚いて、思わず食べている物を陳宮の顔に吹っかけてしまった。
黒装束を着ていた女が、森の中を走っていた。
そして、草むらの中に隠れた。
「刺客はどこへ行った」
2m以上の体が大きな武将が、左右を見ながら大きな声で叫んだ。
「見失いました。典韋様」
部下が言った。
「何としても探せ。曹操様の敵だ。行くぞ」
「ハ」
典韋達は行ってしまった。
「はぁはぁはぁ。どうしよう(×_×)!!
私、三国志の歴史を変えてしまった。
∑(゜д゜)!!」
頭を抱えるアイだった。
○数ヶ月前
・・・・
「この世界で、イケメンはいなかなぁ~」
アイは、辺りをキョロキョロ見ながら言った。
私はなんと、かの有名な三国志の世界にいるのだ。
三国志と言うのは、日本で言う戦国時代みたいな所で、
英雄達が天下統一を目指して戦っていた時代なんだ。
なぜ詳しいのかって?
それは、三国志ゲームマニアだからよ。
( ̄▽ ̄)エッヘン
だから、三国志の世界に来て嬉しかったんだ~(^○^)/
有名武将の会えると思ったの。
特に、文武両道でイケメンで性格の良い
趙雲様とか、
趙雲様とか、
趙雲様に会える~(^○^)/
と思ったの
でも、現実は厳しかった。
趙雲様はおろか、有名武将にも会えなかった。(TдT)え~ん
それに悲しい事に、自分の体じゃなく他の人になっていたんだ。
可愛い顔だったら良かったんだけど。
顔も普通だし、体型も普通で面白みもない。
しかも、左肩に小さな謎のタトゥーがあった。(TдT)がーーん
ただ、1つだけ良い所は天然パーマな所
( ̄▽ ̄)!!
昔から憧れてたのよね~。(^○^)/イエーイ
せっかく、三国志の世界に来たんだから楽しまないと損。
という事で、私は3つの目標を立てたの
①お金持ちになる
まぁ~お金が大好きな私にとっては、当然の目標よね~
お金があれば色々買えるし、国を操る事が出来るかも( ̄▽ ̄)フフフ
私には他の人が持っていない武器がある。
それは、三国志と現代の知識。
この知識を上手く活用すれば、大金をゲット出来るはず( ̄ー ̄)!!
②イケメンをゲットする。
現代では自分に自信が無くて、勇気が出なくて、断れるのが怖くて
・・・・1回も好きな人に告白出来なかった。
そんな自分が嫌で嫌でしかたなかった。
だから、今回は後悔しないように告白したい。
どうせ告白するなら、
イケメンでしょ( ̄▽ ̄)!!
今まで、本当はイケメンと話たかったけど、
狙っている人達の視線が気になって遠慮してた。
だけど、今回は自分の欲望のままに行動する。
私みたいな魅力の無い女は、イケメンをゲットするために行動するしかない。
気に入ったイケメンに、どんどんアタックをするつもり。
私なら出来るはず。きっと出来る。嫌な自分を変えてやる~~~!!!!!
絶対にイケメンをゲットするぞーーー(^○^)!!
③趙雲様に会う
最後は、憧れの趙雲様に会わないとね。
そして、あわよくば趙雲様とあんな事やこんな事を・・・・( ̄▽ ̄)デヘヘヘ
( ̄▽ ̄)ニヤニヤが止まらないアイ
・・・・あ(°○°)!!
いけない。いけない。
全然変な事なんて、想像してませんよ。
全然・・・( ̄▽ ̄)ヘヘヘ
幸せそうな顔で、妄想にふけるアイ( ̄▽ ̄)デヘヘヘ
「お母さん。何であの人、道端で笑っているの?」
アイを見ていた子供が母親に質問をした。
「見ちゃいけません」
子供の目を手で目隠して、そそくさ去って行った。
アイは、まだまだ( ̄▽ ̄)ニヤニヤ妄想しながら歩いた。
「いた!! 何よこれ。」
妄想していたので、全く気づかず何かにぶつかった。
よく見ると一本の丸太が地面に刺さり、上の方にある平らな板に何か文字が書いていた。
「なになに。稼ぎたい人を募集。アルク商団?
ふーん。私には関係ないわね」
過ぎ去ろうとしたアイ
「ぐぅうううううううううう」
大きなお腹が鳴った。
頬を赤らめて他の人に聞こえてないか、キョロキョロ辺りを見回すアイ。
「ふぅ~。他の人には聞こえなかったようね。( ̄ー ̄)よしよし。
でも、お腹すいたなぁ~・・・・そうだ!!
さっきのアルク商団に行ってお金を稼ごう
(^○^)!!」
「ぐぅうううううううううううううう」
さっきより大きなお腹の音が鳴ったので、手で押さえて、
辺りを(゜゜)キョロキョロ見ながら、恥ずかしそうに小走りで行くアイだった。
○アルク商団
店の中に通されて、身なりの良い美人で巨乳の女性ミクがいた。
「あなた、その格好で受けるの?」
アイの格好を見て言った。
「うん?」
アイは自分の服を見た。
(しまった~(°д°)!!
今から面接をするのに、ドロだらけの汚い服じゃん
第一印象が悪るくなる~。 どうしよう~)
オタオタするアイ
「フン」
勝ち誇った様に、鼻で笑うミク。
(何こいつ。感じ悪い~( ̄3 ̄)ブーブー
絶対面接で、ぎゃふんと言わせてやるんだから)
メラメラ対抗心を燃やすアイだった。
二人が呼ばれて奥の部屋に入ると、
商売繁盛と書かれていたハチマキをしたお爺さんのライガと、
ほっそりした男タタルが座っていた。
「では、なぜうちの商団に入ろうと思ったんだ?」
タタルが言った。
「御社の馬を扱った商売に魅力を感じたからです。
今の時代は戦いが多いので、馬の需要が増えて伸びる分野ですし、
堅実な経営をされている所にも素晴らしいと思いました。
また、私は鉄壁商団で働いていた経験を生かして、
人脈、情報、営業の部分でお役に立てます」
「優秀な人しか入れないで有名な鉄壁商団か? 凄い大きな商団じゃないか。」
「ええ」
ニコリと笑うミク。
タタルは、前のめりになってミクにどんどん質問をした。
(まず~~~い(×_×)
このままでは、この女だけが受かってしまう。
どうしよう。どうしよう。
何か言わないといけないけど、商団の事を何も調べてなかったから何も言えない。
どうしよう~~~)
( ̄д ̄)オロオロするアイ。
「ぐぅううううううう」
大きなお腹の音が鳴ってしまった。
一斉にみんなアイの方を見た。
「あはははは。お腹なっちゃいましたね」
笑って誤魔化すアイ。
「そう言えば・・・」
完全にアイの存在をすっかり忘れていたタタル。
「何でウチに?」
アイの格好を見て、胡散臭そうな顔で聞いた。
「募集の広告を見た時に、私でも出来そうと思いました。
商団で働いた事はありませんが、常識にとらわれない発想で提案し、
この商団を大きくしていきたいです。」
(決まった( ̄▽ ̄)!!)
上手くいったと思ったアイ。
「新しい発想ね~。具体的には?」
「え?」
動揺するアイ
(意見なんて無いよ~(×_×))
「具体的な意見があるんだろ?」
「え~っと。1分だけ時間を貰えますか?」
ミクは鼻で笑っていた。
アイはムッとしたが、必死に怒りを抑えて考えた。
(提案提案。何かないかなぁ~。
この商団は馬を扱うらしいから、馬を使った商売の提案をした方が良い。
現代で馬を使った商売と言えば何だ?
馬、馬、馬と言えば・・・・そうだ(^○^)!!)
「どうせ。意見なんて無いんだろ。終わりだ」
「ちょっと待ったーーーー!!」
手で制した。
「( ̄▽ ̄)フフフ。私に素晴らしいアイディアがあります。」
自信満々のアイ。( ̄▽ ̄)キラリ
「何だそれは?」
「競馬です。」
「競馬?」
「はい。レースで勝つ馬を予想して、着順を当てるゲームです。」
「それで?」
「やり方は、お客様が1番速い馬を予想して、金額を賭けます。
当たれば、【オッズ×金額】のお金が入る仕組みになります。
オッズは、お客様がどの馬に投票したかによって、変動します。
強い馬には、オッズが低くなり、弱い馬には高くなります。
一気に稼ぎたい人は、的中率が低いけど、オッズが高い馬を選べば良いですし、
コツコツ稼ぎたい人は、的中率が高いオッズの低い馬を選ぶと良いわけです。」
「ほぉ。なるほど。面白い」
さっきまで黙っていたライガが目を輝かせて、前のめりになってアイの話を聞いた。
ミクは、目を大きく見開いてビックリしていた。(°д°)
アイは腕をまくって、競馬のメリットを説明した。
【メリット】
①主催者は、お客の8割は負けてしまうので、非常に儲かります。
②レースに馬を出す人は、レース毎に莫大な賞金が出ますし、
勝てば名誉を得る事が出来ます。
③お客様は、安い金額で儲ける事も可能ですし、
見ていて面白いので病みつきになります。
④楽しくお金を稼ぐ事が出来るので、人がどんどん集まりますし、
グッズや食べ物など販売すれば、さらに儲かります。
⑤国に貢献出来ます。
速い馬を手に入れる事が可能になるので、戦いを有利に進めますし、
沢山の税金を安定して支払う事が出来るので、喜ばれます。
「どうです?私の案は?」
「こんな事よく思いついたな~。素晴らしい案だ。なぁ~タタル」
「そうですね。父上」
上機嫌な二人。
(( ̄▽ ̄)フフフ。勝った!! どうよ?)
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑ってミクの方を見た。
顔をしかめるミク。
「素晴らしい案とは思いますが、
時間とお金が掛かって現実的には難しいでしょう」
ミクが言った。
「何でよ」
ミクの方を向いてアイが言った。
・・・
「なぜなら、この小さい商団にはそんなお金は無い。」
「うん?小さい?」
目をパチパチさせて小声でライガが言った。
・・・・・
「だったら、他の所と協力すれば、こんなちっぽけな商団でも出来るはずよ」
「ちっぽけって・・・」
肩を落とすライガ
「せっかく作っても、資金力がある大きな商団や国が真似されたら、
・・・・・・
しょぼしょぼ商団も終わりよ」
「しょぼしょぼ」
魂が抜けた顔のライガ
・・・・・・
「こんなしみったれた商団でも、やってみないと解らないじゃない。」
「・・・・・」
もう何も言う事が無いくらい、沈んだ気持ちでうな垂れるライガ
「反対するのは、私の案に嫉妬してるからでしょ?」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑うアイ
「そんわけない。このチリチリ頭が」
「何ですってー。この乳デカ牛が」
「はぁー。言ったわね」
「そっちこそ」
お互い髪の毛を両手で掴んで、ケンカをし始めた。
「いい加減にしろぉーーーーーーーー!!」
ライガが叫んだ。
争っていた二人は、お互いの毛を掴んだ状態でピタリと止まった。
「二人とも落とされたいのか」
「申し訳ありません」
ミクは直ぐに土下座をして謝った。
「すいません」
アイはふて腐れた顔で言った。
「よし。君達に課題をやろう」
『課題?』
ミクとアイは同時に言った。
「1週間やるから、元手が100円で多く稼いだ方を採用する」
「!!!!」
ビックリする二人。
「たった100円ですか?」
アイが直ぐに聞いた。
「そうだ。自信が無いのか?」
「いえ。私は自信があります」
ミクが、きっぱりと言った。
(たった100円でどうやって稼ぐのよう~)
考え込むアイ。
「私は・・・・」
チラリとミクの方を見た。
「どうしたの? 無理しなくて良いのよ。
( ̄▽ ̄)ホホホホ。
どうせ。私には勝てないんだから」
自信満々の笑みでアイを見返した。
(ムキーーーー( ̄3 ̄)!!
こいつには、負けたくない負けたくない負けたくない
絶対に勝つ!!)
気合を入れるアイ。
「やります。やらせて下さい。」
大きな声で言うアイ。
そして、ミクとアイは睨み合いをした。
「よし。では今からスタートだ」
ライガが言った。
「せいぜい。頑張る事ね」
「そっちこそね」
『フン』
二人は顔を背けた。
そして、100円を貰って二人とも大急ぎで、店を後にした。
○町
「はぁ~。こんな100円でどうするのよ」
手にある100円を見つめながらため息をするアイ。
「とりあえず、お店に行ってヒントでも探しますか」
アイは野菜を売っているお店に行った。
すると、店員とお客が揉めていた。
「早く計算しろ」
「うわぁああ。すいません」
大量に野菜を買ったお客が、計算の遅い店員を怒っていた。
「100円のなすが4つ。50円のにんじんが3つ。200円のキャベツが4つ。
だから、えーっと」
「全部で650円だろ」
「ああ。そうなんですか?
計算をしてくれてありがとうございます。
では、650円になります」
「たっくー仕方ない。今度から俺が計算してやるよ」
ニヤリと笑う客は、650円を渡した。
「そうですか。計算が苦手なもんで凄く助かります」
「じゃあな」
「ちょっと待ったーー( ̄○ ̄)!!」
アイは帰ろうとしたお客を引き止めた。
「何だお前は」
「あんた。650円じゃないでしょ」
「何を言うんだ」
動揺して目が泳ぐ客。
「全部で1350円でしょ。」
「え?そうんですか?」
「そうよ。
100円のなすが4つだから、100円×4つ=400円
50円のにんじんが3つだから、50円×3つ=150円
200円のキャベツが4つだから、200円×4つ=800円
合計が1350円。
さぁ~残り700円払いなさい。それとも役所に行く?」
凄んだ顔で客に近づき、手を出して催促した。
「ちぇ。解ったよ」
しぶしぶ700円を渡して帰って行った。
「はい。700円」
「ありがとうございます。ありがとうございます」
店員にお金を渡して、大喜びの店員だった。
「じゃ。謝礼ちょうだい」
アイは手を出して催促した。
「はい?」
首を傾げる店員
「私が助けなかったら700円の損だったのよ。
だからお礼をして貰わないと」
手でクレクレと催促した。
「それはちょっと」
渋る店員。
「ケチね。だったら、私が計算の仕方を教えるから授業料をちょうだい」
「本当ですか? それだったら授業料を支払います。
計算ミスが多くて困っていたんですよ」
「それで授業料はいくら貰えるの?」
「えーっとですね。100円でどうでしょ」
笑顔の店員
「はぁ?
あんた。ふざけてるの」
怖い顔で店員に近寄るアイ
「い、いえ。じょ、冗談ですよ。お、おいくらですか?」
アイの迫力に圧倒されて、怯えながら答える店員
「そうね。家庭教師の時給が2000円くらいだから、2000円でいいわ」
「え?そんなに高いのはちょっと・・・・」
渋り出した。
「わかったわよ。
今回は初回サービスと言う事で1000円で良いわ。
授業内容が良ければ、次回から2000円という事でどう?」
「う~ん。解りました。良ければ次回から2000円払います。」
「( ̄▽ ̄)フフフ。契約成立ね。」
満面の笑みのアイ。
「じゃー。紙と鉛筆を貸して」
「紙と鉛筆?」
店員は首をかしげた。
(ああ~そうか。この時代は、紙が高価だから一般の人に使う習慣がないのね。
それに、鉛筆に関しては存在すらしてない訳か~)
「何か書く物と記録するする物よ」
「ああ。解りました。」
店員は納得して、店の中に取りに行った。
「はい。どうぞ」
店員はアイに手渡した。
「これが紙の代用として使われていた竹簡か~
すだれの竹の部分を平らにした感じね」
七夕で願い事を書く短冊の様な形で、
平らに削った竹を並べて、紐でしばった物。
巻物の様に丸める事が出来る。
アイはまじまじと見た。
そして、店員が持っている硯と筆を見た。
(書道のように筆で書くのね。へぇ~面白い~(^○^)/
昔はこんな物を使って文字を書いてたのね)
感心するアイだった。
店員に硯を持ってもらって、竹簡に文字を書いていった。
「何を書いているんですか?」
「慌てない。慌てない。(^○^)♪♪」
体を揺らしながら、リズムに乗って書いていった。
「よし。出来た」
アイは店員に書いた物を見せた。
「これは何ですか?」
「九九の表よ」
「九九?」
「そう。計算する時にこの表に書いてある事を暗記していると、
計算が速くなるの」
「へぇ~。そうねんですか」
「例えば、さっき100円のなすが4つの計算をしたでしょ。
私が頭の中で計算したのは、1×4をしたの
表には何と書いてある?」
「えーっと。1×4=4です。」
「そう。後は位が100円だから、0を二つ付けて400円になるの」
「なるほど。じゃー。50円のにんじんが3つの時は、
5×3だから、えーーっと15ですね。」
表を見ながら答える店員。
「そう。後は位が10円だから、0を1つ付けて150円になるの」
「素晴らしいです(^○^)!!」
大喜びする店員。
「でしょ。後は暗記すれば直ぐに計算出来るわ」
「なるほど。なるほど。頑張って暗記します」
「暗記のコツは、空いてる時間を利用して、
何回も反復すれば覚えやすいわ」
「そうなんですね。ありがとうございます。」
「次回はちゃんと覚えたかチェックして、新しい事を教えてあげる」
「解りました。」
「例の物を」
手で、( ̄▽ ̄)クレクレと催促した。
「あ!!。はい。解りました。どうぞ」
1000円をアイに渡した。
「まいど~(^○^)/
それじゃ~。頑張って暗記してね。バイバイ~(^^)/」
「はい。頑張ります」
丁寧にお辞儀をして、アイを見送る店員。
「いや~儲かった。儲かった。(^○^)w
意外な所からお金をゲット出来た~。
私って天才かも( ̄▽ ̄)フフフ」
アイは手に入れたお金を見て、( ̄▽ ̄)ニヤニヤが止まらなかった。
「ねぇ~。そこの人」
「・・・・・・・・」
「そこの美人なお姉さん」
「・・・・・・・・」
「あ!! お金が落ちてる」
「え!!∑(°д°) どこどこ」
アイは、必死になって地面を見回した。
「チャリン」
お金が落ちる音がしたのをアイの耳は、ピクピク動いて見逃さなかった。
「あ!!発見(^○^)!!」
素早く1円が落ちていたので、
拾ったアイは( ̄▽ ̄)ニヤリと笑った。
そして、オカッパ頭で背が低い、裕福そうな一人の女の子がいた。
「あなた。お金が好きなんだ」
笑顔で言うチイ。
「そりゃ~。そうでしょ。お金があれば色んな事が出来ますからね」
むくっと立ち上がったアイ。
「だったら、仕事を頼みたいの」
「は?仕事?」
(どう見ても、子供ぽいけど・・・( ̄― ̄)怪しい~)
チイを下から上へと見て、不審そうな顔で言った。
「私の変わりに見合いに出て欲しいの。」
「え!!見合い?」
突然言われて困惑するアイ。
「どうしても断れない見合いがあるんだけど、
ブサイクナな男って話だし、まだ結婚したくないの。
だから、あなたが代わりに出て、向こうから断るよに仕向けて欲しいの。
そうすれば、父も納得するから」
「なるほど。相手に結婚したくないと思わせれば良いのね。
それで、何で私に頼むわけ?」
「さっきの店員とのやり取りを見させて貰ったわ。
機転が利いて頭が良さそうだし、お金に執着がある。
それに・・・・・」
アイを下から上まで見た。
「何よ。じろじろ見て」
「男の人にモテなさそうだから適任ね♪♪」
( ̄▽ ̄)ニコリと笑うチイ
「あんた失礼ねーーー( ̄△ ̄)!!」
「どうするの? やる?やらない?」
「やっても良いけど、報酬次第ね。これくらいわ貰わないと」
人差し指をチイの前に、びっしと出した。
(まぁ~1万くらいが相場でしょ。時間もそんなに掛からないし、
何よりお腹一杯料理を食べれるから儲けものよね。)
不敵な笑みを浮かべるアイ。( ̄▽ ̄)フフフ
「そう。思ったより安いのね。解ったわ100万円支払うわ」
「えーーーーー∑(°д°)」
目を大きく見開いてビックリするアイ。
「あら。足りない?」
「ウンウン」
顔を激しく左右に振った。
(ウソーーー∑(°д°)。めちゃくちゃ儲けたじゃない。
これで、課題クリアだ( ̄▽ ̄)イエ~イ~~~♪♪)
内心凄い嬉しい気持ちを押し殺して、平静を保つアイ。
「それじゃ~。やってくれるのね」
コクコクと頷くアイだった。
「名前は?」
「アイと申します」
態度を180度変えて、丁寧にお辞儀をするアイ
「それではアイ。私の後をついて来て」
「ハイ。お嬢様」
満面の笑みで答えるアイだった。
(いや~~。私今日ついてるわ~( ̄▽ ̄)!!
これも、日頃の行いが良いからだわ。
( ̄▽ ̄)フフフ)
アイは( ̄▽ ̄)シメシメと思いながら、チイの後をついていった。
○豪華な店
「本場の中国料理は美味しい~( ̄▽ ̄)♪♪
店員さ~ん。お代わり~~~♪♪」
お腹が凄く凄く空いてたアイは、マーボー豆腐やチャーハンなどの中華料理を
バクバクと凄い勢いで美味しそうに食べた。
そして、食べ終わった皿を上に上げて、店員にお代わりを催促したていた。
待っている間、チラリと少し離れた席に座る子供っぽいチイを見た。
チイは足をブラブラさせて、
両手でジュースみたいな飲み物が入ったコップを持って飲んでいた。
「どうみても、子供にしか見えないな~。
本当に大人なら、凄く童顔よね~
若く見えて羨ましい~な~~
それに引き換え私は・・・・・・ふぅ~」
アイは、深いため息を付きながら一人事を言った。
「それにしても、お相手の人遅いわね。」
キョロキョロ辺りを見渡していた。
周りから変な目で見られていた。
(( ̄▽ ̄)フフフ。狙い通り。狙い通り
ドロだらけの服を着た女が、こんな豪華なお店でバクバク食べているんだもん。
変な人と思うわよね。( ̄▽ ̄)フフフ。これで嫌いになるはず)
一瞬ニヤリと笑って、またバクバクと食べ出すアイ。
一人の男が、アイの天然パーマに付けてある赤くて高価なかんざしを見て近づいて来た。
「失礼ですが、鉄壁商団のチイさんですか」
「そ・う・で・すよ」
モグモグしながら答えて、ぱっと相手の男を見た。
(ウソーーー。イケメンじゃない∑(°д°)!!)
男が気品のある佇まいで席に座った。
「私は、曹操様配下の陳宮と言います。」
「ブフーーーーーー。えーーーーーー!!(゜○゜)!!
・・・・・・・・・・
死亡フラグ立っている陳宮じゃん∑(°д°)!!」
アイは余りに驚いて、思わず食べている物を陳宮の顔に吹っかけてしまった。