はつ恋。
―――ガラガラ...。
「日奈子、遅くなった。ごめん。送ってく」
有馬くんが戻って来た。
「うわ。確かにちょっと危険な時間だ。ごめん、あっちゃん。私、そろそろ行くね」
私は急いで荷物をまとめた。
時計の針は午後9時を回っている。
兄の帰宅時刻は午後10時の予定。
すかさず、知里さんに引き留めてもらえるようメッセージを送ったけど、既読にならない。
気づいてくれることを祈ろう。
あっちゃんにお土産を渡した後、私達は店の外に出た。
「日奈子、お土産ありがと。じゃあ、またね」
「あっちゃん、明日もバイト頑張って」
「はぁい!承知しました!」
私に100パーセント全力スマイルを見せた後、あっちゃんは有馬くんに視線を送った。
「有馬」
「何?」
あっちゃんがふふっと笑った。
「何だよ」
「日奈子をよろしく」
「言われなくてもそのつもりだ。ったく、湯井は日奈子の保護者かよ」
「まぁ、そんなところかな」
「ふっ。どうせお前も純度100パーセント女のクセに」
「ちょ、ちょっと!あんたねぇ、せっかく日奈子との交際を許可してやったのに、なんなのよ!バカにするな!」
あっちゃんが拳を振り上げたところで私は有馬くんの手を引いて走り出した。
「ごめん、あっちゃん!私、帰りま~す!」
「日奈子!あぁ、もぉ!バイバ~イ!」
私が見えなくなるまであっちゃんはずっと手を振ってくれていた。
あっちゃんのことをずっと考えているふりをして、恥ずかしさを紛らわしていた。
「日奈子、遅くなった。ごめん。送ってく」
有馬くんが戻って来た。
「うわ。確かにちょっと危険な時間だ。ごめん、あっちゃん。私、そろそろ行くね」
私は急いで荷物をまとめた。
時計の針は午後9時を回っている。
兄の帰宅時刻は午後10時の予定。
すかさず、知里さんに引き留めてもらえるようメッセージを送ったけど、既読にならない。
気づいてくれることを祈ろう。
あっちゃんにお土産を渡した後、私達は店の外に出た。
「日奈子、お土産ありがと。じゃあ、またね」
「あっちゃん、明日もバイト頑張って」
「はぁい!承知しました!」
私に100パーセント全力スマイルを見せた後、あっちゃんは有馬くんに視線を送った。
「有馬」
「何?」
あっちゃんがふふっと笑った。
「何だよ」
「日奈子をよろしく」
「言われなくてもそのつもりだ。ったく、湯井は日奈子の保護者かよ」
「まぁ、そんなところかな」
「ふっ。どうせお前も純度100パーセント女のクセに」
「ちょ、ちょっと!あんたねぇ、せっかく日奈子との交際を許可してやったのに、なんなのよ!バカにするな!」
あっちゃんが拳を振り上げたところで私は有馬くんの手を引いて走り出した。
「ごめん、あっちゃん!私、帰りま~す!」
「日奈子!あぁ、もぉ!バイバ~イ!」
私が見えなくなるまであっちゃんはずっと手を振ってくれていた。
あっちゃんのことをずっと考えているふりをして、恥ずかしさを紛らわしていた。