はつ恋。
「ただいまー」


兄の声が聞こえ、私は咄嗟に湯張りボタンを押した。


「うっわ。ビックリした。なんだよ、ここにいたのか」

「今お風呂沸かしたから入っていいよ。私は疲れたからもう寝るね。じゃあ、おやすみ」

「おい!知里からお土産......」


私は猛ダッシュで自室に走っていき、鍵をかけた。

経験してこなかった感情に侵され、頭が混乱していた。

ベッドに横になり、考える。


初めての友達、

初めての恋人、

初めての感情。

"初めまして"と明るく言えればそれが1番だけど、恐らくそんな生ぬるいものじゃない。

あっちゃんが抱えているような、

想像以上に複雑で

自分では制御できないくらいの

大きな力を持った感情が

私の心で渦巻く。

1度それを鎮めるために、

私は目を閉じた。


メリーゴーランドのような

優しくて暖かくて

何の汚れもない

おとぎ話のような世界が

見られますように。


そう、

祈って。


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廻る、色付く。

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