はつ恋。
「ただいまー」
兄の声が聞こえ、私は咄嗟に湯張りボタンを押した。
「うっわ。ビックリした。なんだよ、ここにいたのか」
「今お風呂沸かしたから入っていいよ。私は疲れたからもう寝るね。じゃあ、おやすみ」
「おい!知里からお土産......」
私は猛ダッシュで自室に走っていき、鍵をかけた。
経験してこなかった感情に侵され、頭が混乱していた。
ベッドに横になり、考える。
初めての友達、
初めての恋人、
初めての感情。
"初めまして"と明るく言えればそれが1番だけど、恐らくそんな生ぬるいものじゃない。
あっちゃんが抱えているような、
想像以上に複雑で
自分では制御できないくらいの
大きな力を持った感情が
私の心で渦巻く。
1度それを鎮めるために、
私は目を閉じた。
メリーゴーランドのような
優しくて暖かくて
何の汚れもない
おとぎ話のような世界が
見られますように。
そう、
祈って。
*******
廻る、色付く。
*******
兄の声が聞こえ、私は咄嗟に湯張りボタンを押した。
「うっわ。ビックリした。なんだよ、ここにいたのか」
「今お風呂沸かしたから入っていいよ。私は疲れたからもう寝るね。じゃあ、おやすみ」
「おい!知里からお土産......」
私は猛ダッシュで自室に走っていき、鍵をかけた。
経験してこなかった感情に侵され、頭が混乱していた。
ベッドに横になり、考える。
初めての友達、
初めての恋人、
初めての感情。
"初めまして"と明るく言えればそれが1番だけど、恐らくそんな生ぬるいものじゃない。
あっちゃんが抱えているような、
想像以上に複雑で
自分では制御できないくらいの
大きな力を持った感情が
私の心で渦巻く。
1度それを鎮めるために、
私は目を閉じた。
メリーゴーランドのような
優しくて暖かくて
何の汚れもない
おとぎ話のような世界が
見られますように。
そう、
祈って。
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廻る、色付く。
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