はつ恋。
「最近真谷くんとはどう?」

「どうもこうもないよ。向こうは部活忙しいし、あたしはバイトだし。時間合わないから全然会えない。ってか、そもそも見かけもしない」

「そっか...。でも、次の夏祭りで告白するんだよね?」

「まぁ、うん。じゃないと、とられちゃいそうだから。サッカー部の女子マネとかあざといやつ多いし」

「人気者は大変だねぇ」

「そりゃそうよ。学校1のイケメンなんだから!
...って、何いってんだろ、あたし。チョーはずっ」


あっちゃんが頬をりんごのように真っ赤に染める。

こういうときのあっちゃんはまさに乙女って感じで、すごく可愛い。

この表情も真谷くんに見せてあげたらいいのに、なんて思っちゃう。

そしたら、ころっと落ちるかもしれないのに。

なんか勿体ない。


「ねぇ、日奈子。1つお願いがあるんだけど...」


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