はつ恋。
「日奈子っ!!」


有馬くんがやって来て、先輩を引き剥がした。


「オレの日奈子に手ぇ出しやがって!ふざけんな!」


そして、1発顔面を殴り、また1発お腹を蹴った。


「くっ...」

「これくらいで勘弁してやる!2度と日奈子の前に現れるな!もっかいこんなことしたら先生に言いつける!分かったな!日奈子、行くぞ」


有馬くんは私を抱き抱え、走り出した。

行き先は分からない。

分からないけど、

分からないけど、

分からないけど、

涙が溢れた。


「日奈子、ごめん。ほんとごめん。オレのせいだ」

「ううん、いいよ。大丈夫。大丈夫...だよ。だって今私の側にいてくれてるから。有馬くんがいてくれるだけで、私安心する。だから...」


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