はつ恋。
ポケットのスマホがブーブー鳴ったのはそれから数時間後のことだった。


「あっ!来た!」


急いで取り出し、画面に映し出された文字を見つめる。


「5月3日、OK。双峰駅の改札付近で待ってる。ふふっ」


あっ...。

嬉しくてつい、読んじゃった。

ま、いっか。

だって、嬉しいんだもん。

嬉しすぎるんだもん。

あぁ、早く会いたいな...。

どこに連れていってくれるのかな?

う~ん、どうだろ?

私は遊園地とかがいいな。

久しぶりにあれに乗りたくなった。

なんだっけ?

う~ん、名前が出てこないや。

なら、服を考えながらそれも思い出そう。

昔、お母さんと一緒に乗ったあれの名前を...。

自分の部屋に向かうスリッパの音が心なしか嬉しそう。

スリッパさんもきっと嬉しいんだよね。

私の初デート、ここから見守っていて下さい。

ってことで、ちょっと早い気もしますが、お洋服とバッグと靴、考えます!

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