翠玉の監察医 日出づる国
「Cheguei(ただいま)」

リヴィアがポルトガル語でそう言いながら家の中に入り、蘭と圭介は「お邪魔します」と言いながら部屋の中は入る。すると、「Bem vindo de volta(おかえり)」と言いながら部屋の奥からジャージ姿の男の子が出てきた。ベルナルドだ。ベルナルドは蘭たちを見て少し警戒するような目を向ける。蘭はペコリとお辞儀をした後言った。

「お初にお目にかかります。世界法医学研究所の監察医、神楽蘭です。必ず死因を究明いたします」

「この人がミゲウの死因を調べてくれるの」

リヴィアの言葉にベルナルドは「ふ〜ん」と返して部屋の奥へと戻っていく。リヴィアは「すみません。すぐに夕食を作りますね」と言いリビングに蘭と圭介を案内してくれた。

リビングには、ブラジル代表のサッカー選手のポスターが貼られており、ブラジルの国花であるイペーが押し花にされて飾られていた。

「ブラジルのものであふれてますね」
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