翠玉の監察医 日出づる国
「それは後で説明します。それよりも、ミゲウさんの解剖の結果はどのようなものだったのですか?」

蘭が訊ねると、マルティンが「こんな結果になったよ」と報告書を見せる。報告書には、ミゲウの体にあった傷や内臓の状態などが記されている。その結果を見て、蘭は無表情のまま「そうですか。やはり、このような結果に……」と呟く。

「事故という見立ては間違いだった。もう一度現場を捜査する。小向工場の社長からも話を聞かないとな」

桜木刑事がそう言い、蘭は報告書をもう一度目にする。

ミゲウの体には無数の傷痕が残っていた。それも最近できたものばかり。そして、ミゲウは階段から転落した際に背中側から地面に叩きつけられていたことなどがわかったのだ。

「法医学の、希望に」

蘭はそうポツリと呟いた。




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