白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
アコはしばらく歩いた先で、タクシーを拾う。

並んで座る後部座席。

2人でお互いに別々のサイドガラスを見ながら、しばらくの沈黙。

濃厚なキスシーンが頭から消えない。

たぶんアコも…同じ。

「ねぇ…橙子。」

アコが重い口を開いてくれた。

「レイジ、本当は…今日、店に来るなって言ってたんだ。
太客が、来るからって…。」

「 ………そうなんだぁ。」

「すごく使ってくれる太客だから…アコが行ってもラストソングは一緒に歌えないからって……。」

「 ………。」

「レイジ、優しいから…アタシに気を使って、そんなことを…。」


優しい?

気を使う?

ホストの心の基準が、良くわからない。

てか、ホストじゃなくて…アコの想いの矛先と言った方が…正解かな。

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