白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
そう言うと、陸斗は私の手を引いてタンクのハシゴに登るよう誘導した。

5、6段登ると…そこは…

「わぁーーーーっ!綺麗。陸斗、すごいねっ!
ここからの景色っ!」

「おいっ。足元、気を付けろよ!あんまり見とれると落ちるゾっ(笑)」

「すごーいっ!ありがとう、陸斗。
こんな絶景が見られるなんて…フェンス越しじゃない風景ってこんなに違うんだぁ〜。」

「(笑)俺もすげえ嬉しい…橙子と見れて。」

「(笑)素直でよろしいっ!はははっ」

私は、大きく息を吸い込んで西日に照らされる観覧車を見つめた。

くすんでしまっているそのボディは、光を反射するほどの力はもう無いようだ。

「ねぇ、陸斗。
あの遊園地、まだ買い手が見つからないみたいだね。」

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