白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
私は受話器を握りながら、視線を上げる。

廊下に続く窓に釘付けになる。

スマホを耳に当てて…シレッとするヒカルの姿を捉えて、やっぱりドキっとする。

「インターホン鳴りましたっけ?」

受話器越しのヒカルの声。

「さっき、女の子が帰った時にすれ違った。」

セキュリティースルーーーーっ!!

「橙子先生、言い訳ぐらい聞いてよ。」

私は、彼から視線を外さずに受話器を置くと…大きく息を吸ってヒカルを睨んだ。

どんなに待ったか…

どんなに…会いたかったか…

どんなに…ショックだったか。

どんなに心配したかっ!!

分かってんのぉぉーーーー!!

この悪魔っ!!


「悪いことしたら…ごめんなさいでしょっ!」

「嫌だっ!!」

「素直に謝るって大事ですっ。」

「やだよ。悪い事なんて一つもしてないっ…。」
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