白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
「んっ!あーーーーっ!忘れてたっ!」

「煌の……アザラシちゃん……。」

けちょん…となる煌君の切ない顔にヒカルは気まずそうにする。

「そう言えば…朝、洗ってベランダに吊るしたよなっ、アザラシちゃん……
雨ざらしだなぁ……。」

ヒカルと煌君と私は、煌君の命ぬいぐるみを救済すべく…小さな折りたたみ傘に3人、ぎゅうぎゅうになってマンションを目指した。

風が強くなって巻き上がる風と雨。

でも、何でこんなに笑えるんだろう。

幸せ…って感じられる程の状況じゃないはずなのに…おかしいよね。

なんだか笑えてくる。

ヒカルに抱かれた煌君は突風が吹くたびに声を上げて笑い、私はヒカルに身体を寄せることが出来てドキドキする。

この緊急事態に、不謹慎なほど胸が高鳴った。
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