白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
「うわぁ……!!」

錆びついた扉の向こう側。

「ここが、この店のVIPルーム。」

非常階段に続く、小さな踊り場。

「き……綺麗。」

「そっ!(笑)」

街を見下ろすと…そこは輝く宝石を散りばめた摩天楼。

七色の夜景はこの夢の館を取り巻いて、キラキラ揺れる。

夜…だよね。

今、夜中の…はず。

光が飛び散ってる。

眠ることを忘れた街の明かり……。

まるで…白夜のような街。

「すごーーい!!VIPだね……ここ。」

「…だろっ!」

「綺麗過ぎて…泣けてきちゃう。」

私の潤んだ瞳から目線を外してヒカルは真っ直ぐに前を向く。

「アコちゃんのこと軽蔑すんなよ。嫌いにならないでやれよ……
誰だって好きな人を独り占めしたいんだ。
だってそうだろ…そういうもんだろ。」

「ヒカル君…。」

「正しいか…正しく無いか…正解なんてこの街には無いんだ。
俺はそう思ってる。
ただ…友達だろ?軽蔑しないでやってよ。
アコちゃんのこと。」

「…………。」
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