白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
サラッとした髪を撫でて…小さな背中を撫でて…つねられた傷辺りに手を置くと胸がぎゅっと潰れそうになる。

許せない。

私まで痛くなる…

煌君と同じ場所が痛い。

一体…誰が…?

〝 煌の母親だから…嫌いになりたくない。けれど…上手くいかなかった。 〟

光留。

疑いたくないけど…もし、エリさんだとしたら…私、やっぱり許せないよ。



「橙子…。さっきの続き……♡」

バスルームから上裸の光留は、甘えた子供のように私の背後から腕を回してくる。

「シッ……だよ♡ 煌君が起きちゃう(笑)」

光留と私はこつんと額をくっつけて口元で人差し指を立てる。

ククッと笑って、煌君の眠るベッドルームの扉を2人で静かに閉じる。

私はまだ濡れた光留の髪に触れて…撫でて…首筋のタトゥーに……

そこに噛み付く。

ホントは甘噛みじゃ足りない……

もし、エリさんがやったとしたら私は絶対……許せないよ。


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