白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
このパーキングの隅で、私を突き破るように入ってくる光留は…

目にかかる髪をかき上げて…

「橙子が欲しいだけあげる…」

そう言って…

全身で私の身体を抱きしめて、首の後ろから…首筋へ…唇を滑らせていく。

間違って…いないよね。

この快楽は、間違って…いないよね。




アコは病室の天井の隅。

何を見ていたんだろう………。



街の灯りが激しく上下する。

通りの人影…話し声、笑い声は光留の強さに遮断される。

2人だけの一瞬は息をすることをさえ許されない。

この感覚…後戻りできない。

恥ずかしさよりも、こんなに光留を求めてしまう自分が世界中で一番…儚い。

未来なんて…永遠なんて…いらない。

終いに…朝なんていらない。



アコ…アコもきっとそう思ったに違いない。

一粒の錠剤が見せた世界。


私には光留がいて…2人で見る世界に溺れる。

私は…幸せだと思う。

こんなに淫らで儚いのに…幸せだと思う。
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