白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
「やだよぉ〜…いやだぁ…。
うぁーーーーん……返して…煌のアザラシちゃん返してーーーーっ!!」

遅番の先生は呆れた顔でぬいぐるみを持つ手を高く上げる。

「だーーめっ!!おカバン入れときます!!」

「うぁーーーーーん!!うるさいっ。
うるさーーーーいっ!!」



煌君………。

大暴れの煌君の姿を初めて見た。

きっと…

私には我慢してたのだろうか。

だとしたら…やっぱ本音を出せない私って…

違う。

そうじゃない。

本当のママは…どんな時だって、たとえ自分の体調が悪くたって側にいるのがママだよね。

煌君の側に…



「煌君っ!!」

私の声に煌君が泣き顔で反応する。

「…………。」

両目を擦りながら…
ぺしゃんと座った煌君が顔を上げた。

「ごめんっ!ごめんね煌君。
寂しい思いをさせちゃって……。」

「煌の…煌のアザラシちゃん…アザラシちゃん…。」

私は煌君を抱きしめる。

ごめんね…

煌君、不安にさせて。

ママ代わりのアザラシちゃん。

光留と同じ…おんなじ匂い。


なんだか、数日会わなかったら一回り小さくなった気がする。

「ごめんね。煌君、先生…もう元気になったから。もう大丈夫だから…。」

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