白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
言った後に、後悔した。

なんだか…このタイミングに元カレのことを思い出した。他人からの愛も…恋人からの愛も…自己肯定になるはず。

それなのに…。

「やっぱ…できないのかな…。愛情の貯金。何も無い…。5年も付き合った彼氏と別れたのに…何も残って無いって思うんだよ。」

ひどいね…私。

「ひどい女ーーーーっ!!」

でしょ。

そうよ…そうなのよ。

ってか!!

そうやってハッキリ言われると…辛くなる。


「でもさっ…そうやって今、泣いてるって事は…何も残って無いって思ってないからだよね。」

えっ……私、泣いてる?

嘘…アレ…本当だ。

私は慌てて知らぬ間に頬を伝っていた涙を拭いた。

ヤバい……これ以上、酔ったら帰れなくなる。

「涙は気持ちがある証拠だよ。だから…橙子先生はひどい女じゃない。(笑)ねっ。」

ヤバい……これ以上酔ったら…イヤ、これ以上この子に関わったら…

私のペースが分からなくなりそう。
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