白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜
次の日のお昼すぎ。
「う……イタ…あたたた。はぁ〜っ。」
二日酔い……。
必死に起き上がると…そこはベッドの下。
ベッドまで辿りつかなかったようだ。
シャワーしなきゃ……
と、その前に這うようにして玄関に脱ぎ散らかしたヒールを揃えた。
キッチンの前に脱ぎ捨てたシャツ…放り投げられたバッグ…それらを順番に拾い集めながら…
焦ってバッグの中身も確認する。
スマホ。
財布。
化粧ポーチ。 よかった…全部ある。
名刺?……あっ。………
これ、ヒカルの名刺。
夢…かと思った。
なんとなく…私は右の手のひらを見つめる。
無線の音しか聞こえない静かなタクシー。
ヒカルの手のひらを感じていたような……
気のせいかな。