白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜



次の日のお昼すぎ。



「う……イタ…あたたた。はぁ〜っ。」

二日酔い……。

必死に起き上がると…そこはベッドの下。

ベッドまで辿りつかなかったようだ。


シャワーしなきゃ……


と、その前に這うようにして玄関に脱ぎ散らかしたヒールを揃えた。

キッチンの前に脱ぎ捨てたシャツ…放り投げられたバッグ…それらを順番に拾い集めながら…

焦ってバッグの中身も確認する。

スマホ。

財布。

化粧ポーチ。  よかった…全部ある。

名刺?……あっ。………

これ、ヒカルの名刺。


夢…かと思った。

なんとなく…私は右の手のひらを見つめる。


無線の音しか聞こえない静かなタクシー。

ヒカルの手のひらを感じていたような……

気のせいかな。
< 50 / 417 >

この作品をシェア

pagetop