クロエの気の強さは、内に秘める愛情の賜物だと思う。
貴族令嬢の正しい心持ちの在り方なのかと納得するほど。
そしてそれが故に、自分に素直なようでいて、本当はとても自分を隠すのが上手になってしまっているのかもしれない。
聡明なクロエは現実をよく知っている。だからこそ諦めてしまっていたのかもしれない。そんな中で世界を広げてくれたバイロンに惹かれたのは必然だったと思わざるを得ない。「思考すること」が初めからできていた彼女に、それを深く追求することを求めたバイロンも、クロエ以上に聡明であって、自分の事となるとまたこちらも幸せを諦める。
臆病なのはふたりとも。けれどそれは多くの人が当てはまる。誰だって見えない先に進むのは怖い。けれど、どんな結末になろうとも幸せになるためにもがき、手を伸ばすことはその人の糧になるはずである。人は経験を積んで輝ける宝石になれるのだから。頑張れコンラッド!笑