悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「その時、初めて知ったんです。不正を行い、自分の財産を増やす者がいる一方、世の中には――満足に食事をすることができない者もいると。その理由を知りたくて、図書館への入館許可をいただきました」

 皇宮の図書館で、レオンティーナが効率よく調査を進めることができたのは、前世の知識があったから。何を調べればいいのか、どうすれば解決できるのか。
 一度目の人生で、ソニアから教えられた話は、たしかにレオンティーナの中に息づいていた。

「そうしたら、あまりにも多くの知識に、圧倒されてしまったんです。この知識を総動員したら、あの施設の子供達だけじゃない。もっとたくさんの人を救えるのではないか――そうも思ったんです」

 それもまた、嘘ではなかった。
 レオンティーナが皇帝となれば、たくさんの民を救うことができる。最初のうちは、そう思っていたのは否定できない。

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