悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「そこに、たいした理由なんてないんです。殿下。たしかに、政治に口をはさんでいることになるでしょう。でも、私が望んでいるのは――お腹いっぱい食べることができて、清潔な衣服を身に着けて、安心して眠ることができる。そんな民をひとりでも多く増やしたい。その程度なんです」
自分が皇帝となるよりも――皇帝を側で支える立場でもいい。ひとりでも多くに、救済の手を差し伸べることができたなら。
今のレオンティーナは、そう考えるようになっている。
けれど、アンドレアスはそれもまた鼻で笑っただけだった。
「ご立派なことだな、レオンティーナ・バルダート」
「そう、思われますか……?」
ひょっとすると、アンドレアスには何を話しても無駄なのかもしれない。
レオンティーナの言葉が、彼の心に響くとも思えなかった。扉を離れたアンドレアスは、ゆったりとした足取りでこちらに近づいてくる。
言いようの知れない不安に、レオンティーナは一歩、後退した。
逃げ道を探すものの、逃げ道なんてあるはずもない。
「――ヴィルヘルムは、どうなんだ?」
「ど、どうって……」
自分が皇帝となるよりも――皇帝を側で支える立場でもいい。ひとりでも多くに、救済の手を差し伸べることができたなら。
今のレオンティーナは、そう考えるようになっている。
けれど、アンドレアスはそれもまた鼻で笑っただけだった。
「ご立派なことだな、レオンティーナ・バルダート」
「そう、思われますか……?」
ひょっとすると、アンドレアスには何を話しても無駄なのかもしれない。
レオンティーナの言葉が、彼の心に響くとも思えなかった。扉を離れたアンドレアスは、ゆったりとした足取りでこちらに近づいてくる。
言いようの知れない不安に、レオンティーナは一歩、後退した。
逃げ道を探すものの、逃げ道なんてあるはずもない。
「――ヴィルヘルムは、どうなんだ?」
「ど、どうって……」