悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
レオンティーナの髪を指に搦めたまま、アンドレアスは遠くを見ているような目つきになった。
髪を取られたままという、はたから見ればものすごく誤解される状況であろうに、動けなかった。
(本当に……この方は、何を考えているのかしら)
前世では夫婦だったけれど、アンドレアスはレオンティーナに見向きもしなかった。
レオンティーナが散財を繰り返そうが、自分の気に入らない相手を宮中から追い出そうが、気にも留めていなかった。
人ひとり、殺したとしてもだ。
処刑され、捕らえられたアンドレアスが処刑されたと聞いたのは、レオンティーナが塔に囚われたあとのこと。
アンドレアスが死亡したのち、皇帝の地位についたのは、アーシア王国の援助を受けた遠縁の者だった。
前世でも、彼とはただ書類上の夫婦であっただけ。彼の本心なんて知るはずもなかった。
――そして、今回の人生では。
アンドレアスは、レオンティーナにとっては、敵であった。彼に嫁ぐことになったら、きっとまた帝国史上最悪の皇妃となってしまう。
髪を取られたままという、はたから見ればものすごく誤解される状況であろうに、動けなかった。
(本当に……この方は、何を考えているのかしら)
前世では夫婦だったけれど、アンドレアスはレオンティーナに見向きもしなかった。
レオンティーナが散財を繰り返そうが、自分の気に入らない相手を宮中から追い出そうが、気にも留めていなかった。
人ひとり、殺したとしてもだ。
処刑され、捕らえられたアンドレアスが処刑されたと聞いたのは、レオンティーナが塔に囚われたあとのこと。
アンドレアスが死亡したのち、皇帝の地位についたのは、アーシア王国の援助を受けた遠縁の者だった。
前世でも、彼とはただ書類上の夫婦であっただけ。彼の本心なんて知るはずもなかった。
――そして、今回の人生では。
アンドレアスは、レオンティーナにとっては、敵であった。彼に嫁ぐことになったら、きっとまた帝国史上最悪の皇妃となってしまう。