悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
茶色い頭のという言い方はどうかと思うが、アンドレアスがソニアを認識していたことに驚いた。前世のレオンティーナもそうであったけれど、アンドレアスは使用人の名前なんていちいち気にしていなかったから。
「救援物資の配分は終わった。あとは、現地の者に任せてある。それから、これは、分配ついでに見てきて回ったものだ――あくまでも俺の気づいたことだから、お前自身の目で見てこい」
ヴィルヘルムが、アンドレアスに何か折りたたんだ紙を渡している。アンドレアスは無言で受け取ると、それを上着のポケットに突っ込んだ。
ふたりの様子に声をかけることもできずに見守っていたが、戻ってきたレオンティーナに気付いたのはヴィルヘルムが先だった。
「グラナック博士と助手には、もうしばらく残ってもらおう。一度目の収穫の時期までは、ここで様子を見てもらった方がいい」
「はい。博士もそれがよろしいだろうと」
「俺の考えは無視なんだな」
ヴィルヘルムとレオンティーナの会話に、種芋を握りしめたアンドレアスが割り込んでくる。綺麗に刺繍の施された上着に泥が跳ねているのも気になっていないようだ。
「救援物資の配分は終わった。あとは、現地の者に任せてある。それから、これは、分配ついでに見てきて回ったものだ――あくまでも俺の気づいたことだから、お前自身の目で見てこい」
ヴィルヘルムが、アンドレアスに何か折りたたんだ紙を渡している。アンドレアスは無言で受け取ると、それを上着のポケットに突っ込んだ。
ふたりの様子に声をかけることもできずに見守っていたが、戻ってきたレオンティーナに気付いたのはヴィルヘルムが先だった。
「グラナック博士と助手には、もうしばらく残ってもらおう。一度目の収穫の時期までは、ここで様子を見てもらった方がいい」
「はい。博士もそれがよろしいだろうと」
「俺の考えは無視なんだな」
ヴィルヘルムとレオンティーナの会話に、種芋を握りしめたアンドレアスが割り込んでくる。綺麗に刺繍の施された上着に泥が跳ねているのも気になっていないようだ。