悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「――アンドレアス。信じないかもしれないが、俺は、目の前にある問題をどうにかしたかっただけだ」
幼い頃から、あちらこちらの施設を視察して回っていたヴィルヘルムは知っている。この国が、アンドレアスが思っていたほど豊かではないことを。
「お前が皇太子になるのなら、それでよかったんだ」
「……ふん」
それでも、アンドレアスにヴィルヘルムの想いは通じなかったようだ。彼は切った種芋と包丁を放り出し、くるりと向きを変えた。
「援助には感謝するが、終わったらさっさと帰れ」
それだけ言い残し急ぎ足に去ってしまう。
残されたふたりは顔を見合わせた。
「……今のは、なんだったのでしょう」
「さあ……」
アンドレアスの含みのある言葉。これは、何を意味しているのだろう。
準備の終わった種芋を、使用人達が運んでいく。
「ヴィルヘルム様。ロニーには、ここに残ってもらおうと思うんです。グラナック博士の身の安全も確保したいのですが――ロニーにはまだいろいろと調べてもらいたくて」
ヴィルヘルムは、ロニーの出自を知っている。レオンティーナの言葉に、眉間にしわを寄せた。
幼い頃から、あちらこちらの施設を視察して回っていたヴィルヘルムは知っている。この国が、アンドレアスが思っていたほど豊かではないことを。
「お前が皇太子になるのなら、それでよかったんだ」
「……ふん」
それでも、アンドレアスにヴィルヘルムの想いは通じなかったようだ。彼は切った種芋と包丁を放り出し、くるりと向きを変えた。
「援助には感謝するが、終わったらさっさと帰れ」
それだけ言い残し急ぎ足に去ってしまう。
残されたふたりは顔を見合わせた。
「……今のは、なんだったのでしょう」
「さあ……」
アンドレアスの含みのある言葉。これは、何を意味しているのだろう。
準備の終わった種芋を、使用人達が運んでいく。
「ヴィルヘルム様。ロニーには、ここに残ってもらおうと思うんです。グラナック博士の身の安全も確保したいのですが――ロニーにはまだいろいろと調べてもらいたくて」
ヴィルヘルムは、ロニーの出自を知っている。レオンティーナの言葉に、眉間にしわを寄せた。