悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
レオンティーナは、ぼんやりとマレイモのポタージュを口に運んでいた。
「……ティーナ、レオンティーナ」
「は、はい。なんでしょう?」
ルイーザに名を呼ばれたのにも気づいていなかった。これは、いくらなんでもぼんやりし過ぎではないだろうか。
慌ててスプーンを置くと、向かい側に座っているヴィルヘルムが、気づかわし気な目を向ける。
「少し、痩せたんじゃないか?」
「そ、そうでしょうか……」
自分の頬に手を当ててみる。痩せた実感はない。
「私は疲れていると思ったわ。だから、ここに呼んだのだけれど、ぼうっとしているのだもの。あなた、空のスープ皿をかき回して、空のスプーンを口に運んでいるの気づいていなかったじゃない」
「え? や、やだ……私ってば、とんだ無礼を」
ルイーザに指摘されて視線を落とせば、たしかに先ほどまで中身がいっぱい入っていたはずのスープ皿は空だった。
羞恥の念が、じわじわと込み上げてくる。
「私は、あなたを責めるつもりはないわ。お兄様もね。ただ、あなたはもう少し自分のことに気を配るべきだと思うの」
親友の言うことには、一理ある。
「……ティーナ、レオンティーナ」
「は、はい。なんでしょう?」
ルイーザに名を呼ばれたのにも気づいていなかった。これは、いくらなんでもぼんやりし過ぎではないだろうか。
慌ててスプーンを置くと、向かい側に座っているヴィルヘルムが、気づかわし気な目を向ける。
「少し、痩せたんじゃないか?」
「そ、そうでしょうか……」
自分の頬に手を当ててみる。痩せた実感はない。
「私は疲れていると思ったわ。だから、ここに呼んだのだけれど、ぼうっとしているのだもの。あなた、空のスープ皿をかき回して、空のスプーンを口に運んでいるの気づいていなかったじゃない」
「え? や、やだ……私ってば、とんだ無礼を」
ルイーザに指摘されて視線を落とせば、たしかに先ほどまで中身がいっぱい入っていたはずのスープ皿は空だった。
羞恥の念が、じわじわと込み上げてくる。
「私は、あなたを責めるつもりはないわ。お兄様もね。ただ、あなたはもう少し自分のことに気を配るべきだと思うの」
親友の言うことには、一理ある。