悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
今は、レオンティーナの望んだとおりの未来になっているはずだ。家族の仲は良好だし、破滅の未来を避けることができた。
ヴィルヘルムとは気持ちが通じ合っているし、ある程度功績も認められている。これ以上、何を望むというのだろう。
「いつだって、君はそうだろう」
レオンティーナの手をぎゅっと掴んでいる彼の手に力がこもる。少し痛いくらいだったけれど、手を引き抜こうとは思わなかった。
「ヴィルヘルム様」
「俺では、足りない? 俺では、君の助けになることはできないか?」
「私、いつだって助けていただいています」
「でも、君の目は、俺の知らないところを見ているだろう。教えてくれ、君には何が見えているんだ?」
正面から問われ、レオンティーナは困ってしまった。
(何が見えているのかって聞かれても……)
レオンティーナが知っているのは、かつてこの国は滅亡したということだけ。少し前まで、この国は滅亡に向かってゆっくりと歩んでいた。
この数年の間は、滅亡に向かって転がり落ちるように進んでいたかもしれない。
レオンティーナは、その進行速度を遅らせることに成功した。
ヴィルヘルムとは気持ちが通じ合っているし、ある程度功績も認められている。これ以上、何を望むというのだろう。
「いつだって、君はそうだろう」
レオンティーナの手をぎゅっと掴んでいる彼の手に力がこもる。少し痛いくらいだったけれど、手を引き抜こうとは思わなかった。
「ヴィルヘルム様」
「俺では、足りない? 俺では、君の助けになることはできないか?」
「私、いつだって助けていただいています」
「でも、君の目は、俺の知らないところを見ているだろう。教えてくれ、君には何が見えているんだ?」
正面から問われ、レオンティーナは困ってしまった。
(何が見えているのかって聞かれても……)
レオンティーナが知っているのは、かつてこの国は滅亡したということだけ。少し前まで、この国は滅亡に向かってゆっくりと歩んでいた。
この数年の間は、滅亡に向かって転がり落ちるように進んでいたかもしれない。
レオンティーナは、その進行速度を遅らせることに成功した。