悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
(……いっそ、誰かに秘密を打ち明けるべき?)

 たとえば、レオンティーナを信じてくれるヴィルヘルムとか。
 たとえば、レオンティーナを愛してくれる両親とか。
 絶対の忠誠を誓ってくれるソニアに語ったとしたら――?

(いえ、ダメ。それはダメ……)

 話したところで、彼らがそれをどこまで正面から受け止めてくれるかわからない。
 枕に顔をうずめるようにしてため息をついた。

(そろそろ起きないといけないわよね……)

 まだ、朝は早いが、そろそろ御前会議に向けての準備をしなくては。今日は、レオンティーナの出した議題が載せられることになるのだから。
 ソニアを呼ぼうと、ソニアの部屋に通じるベルを鳴らす紐を手に取ろうとする。けれど、手を伸ばしても、紐に手は届かなかった。

(……変、よね……)

 身体が思うように動かない。思い切って、腕に力を入れようとしても、ベッドにぐにゃりと崩れ落ちてしまう。

「……レオンティーナ様、そろそろ……」
「よかった、ソニア。今、呼ぼうとしていたところ……」

 ベルを鳴らす前に、ソニアが起こしに来てくれてよかった。
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