悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 レオンティーナは微笑みかけたけれど、ソニアは真っ青になった。

「レオンティーナ様、起きてはいけません。横になってください! すぐ!」

 言葉を発してみて、レオンティーナにも自身の異常がようやく理解できた。普通に話しているつもりなのに、こんなかすれたような声しか出ない。

「……だめです! 横になって!」

 ソニアがレオンティーナに対し、こんなにも鋭い声を発するのは初めてだった。レオンティーナは言われた通り素直に横になる。
 枕に頭を預けたら、とたん身体中にかかる重みが増したような気がした。

「わ、私……」
「失礼しますね、額に触れさせていただきます」

 ソニアのひんやりとした手が、レオンティーナの額に触れる。はっと息をつき、ソニアは弾かれるようにベッドから離れた。

「今日は、ベッドから出てはいけません。すぐに旦那様と奥様にご報告をして、お医者様を呼んでまいります」
「でも、今日は御前会議……」
「いけません、レオンティーナ様」

 首を振るソニアは、どこか悲し気に見えた。

< 145 / 303 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop