悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 レオンティーナの謝罪には、ソニアは何も言わなかった。ひんやりとしたタオルが額に乗せられる。

(……たしかに、頭もずきずきしている……)

 今の今まで気づかなかったというのも驚きだ。レオンティーナは目を閉じる。今日はこのまま、おとなしくしているしかないだろう。

「お嬢様、御前会議の件については、旦那様が対応してくださるとのことでした」
「……そう」

 額に載せられたタオルがぬるくなり、耐えがたい頃合いになると、声に出さなくても冷たいものと取り換えられる。
 ソニアの優しい手に感謝しながら、いつの間にかうとうととしていた。
 レオンティーナが幼い頃から、病気の度に訪れる主治医がやってきたのは、それから間もなくのことだった。
 人にうつる病ではないかと心配しているソニアは、主治医の言葉に注意深く耳を傾けていた。
 主治医はレオンティーナを丹念に診察した。脈をはかり、呼吸音に耳をかたむけ、目をのぞきこみ、口の中を見て、それから痛いところはないか身体じゅうあちこち押し、ほっとしたようすを見せた。

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