悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「……お疲れのご様子ですね。たいしたことはありません。熱が下がるまで、数日は安静にしてください。食事は消化のよいものを」
「人にうつる病ではありませんか?」
「過労から体力が失われているところに、お風邪を召されてしまったという説明が一番わかりやすいでしょうか。恐れねばならないような重病ではありませんが、熱が下がるまで体力のない方は近づかない方がいいでしょう。特に、幼いハイラム様は」
「わかりました」

 医師とソニアが話をしているのを、レオンティーナはベッドに横になって聞いていた。

(……こんな時に、風邪をひいてしまうなんて)

 つくづく自分の弱さが恨めしくなる。せっかく、あちこち根回しをして、報告ではなく、新たな議題を提出することができたと思っていたのに。

「厨房に、カスタードプディングを作ってもらいますね。それから……」
「待って。ソニア……ここにいて。それから……ありがとう」
「当然のことをしたまでですから。では、扉のところまで、誰かに来てもらいますね」

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