悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 そんな風に、思ってしまうのは、間違いではないだろうか。ゆらゆらと、レオンティーナの心が揺れる。

(……でも、本当に話してしまっていいの?)

 ためらいを、消し去るのは難しい。でも、これ以上秘密を一人で抱えているのも苦しい。ヴィルヘルムになら話してもいいだろうか。

「俺は、そんなに頼りにならないかな」
「……何を聞いても、驚かないでくださいますか?」

 話すべきではないのかもしれない。
 ヴィルヘルムはレオンティーナを信じてくれないかもしれない――けれど。
 話を聞いた後、レオンティーナとの関係をどうするのかは、ヴィルヘルムが決めることだ。レオンティーナは、彼の前に選択肢を差し出さねばならない。

「――ついてきてください、ヴィルヘルム様」

 客間を出て、レオンティーナは廊下を進む。途中ですれ違ったソニアが、慌てた様子でついてきた。
 レオンティーナは自分の仕事部屋の前で足を止めた。

「――ソニア。ヴィルヘルム様とふたりでお話をしなければならないことがあるの。あなたは、ここで、誰も入ってこないように見張ってくれるかしら」

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