悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
またもやファブリスの方に引き寄せられ、そしてくるくると回される。先ほどから彼に振り回されっぱなしで、上手に頭を働かせることができない。
「どういう意味でしょう?」
「言葉通りの意味だ。俺は、お前のことをもっと知りたい」
そんなことを言われても、どうしたらいいかわからない。あまりにも思いがけない言葉に、頭の中は真っ白のまま。
それでも、長年練習したステップは、考えなくても踏むことができているようだ。混乱しっぱなしのレオンティーナに、ファブリスは重ねて続けた。
「――病を治め、飢える民を救った。それは、お前の功績だろう」
「いえ、違う……違います。私ひとりの功績では」
レオンティーナは首を振った。
――怖い。
ファブリスが、何を考えているのかまったくわからないのが怖い。
前世での彼との関係は、皇妃と賓客。そして、処刑される者とそれを見ていた者。それだけであった。
軍人だった時代、ひそかにヴァスロア帝国を訪れていて、その時にヴィルヘルムと親交があったと聞いている。
「どういう意味でしょう?」
「言葉通りの意味だ。俺は、お前のことをもっと知りたい」
そんなことを言われても、どうしたらいいかわからない。あまりにも思いがけない言葉に、頭の中は真っ白のまま。
それでも、長年練習したステップは、考えなくても踏むことができているようだ。混乱しっぱなしのレオンティーナに、ファブリスは重ねて続けた。
「――病を治め、飢える民を救った。それは、お前の功績だろう」
「いえ、違う……違います。私ひとりの功績では」
レオンティーナは首を振った。
――怖い。
ファブリスが、何を考えているのかまったくわからないのが怖い。
前世での彼との関係は、皇妃と賓客。そして、処刑される者とそれを見ていた者。それだけであった。
軍人だった時代、ひそかにヴァスロア帝国を訪れていて、その時にヴィルヘルムと親交があったと聞いている。