悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
レオンティーナ自身、皇宮の調査部門や、ロニーだけではなくバルダート家が抱えている調査人に調査をしてもらったこともある。

(……私の名を秘めるようなことはしなかったものね)

 そう気づけば、逆に落ち着きを取り戻したのを実感した。
皇帝になると誓った以上、功績は皇帝の目にとまらねばならなかった。だから、レオンティーナも隠すことはしなかった。
 そうだ、ヴィルヘルムも言っていたではないか。目の前にいる人物が、レオンティーナの知っている人物と同じとは限らないと。

「……ファブリス陛下。たしかに、功績者として私の名が挙がっているかもしれません。ですが、真の功績者は、研究を続け、どうにかして世の中に出そうと行動してくださった博士達ですわ」

 アルニム熱の解熱方法を発見したアルニム博士にしても。マレイモの栽培方法を確立したグラナック博士にしても。
 彼らの研究は、最初から有望視されていたわけではなかった。彼らが、どうにかして中央に届けようとした情報を、レオンティーナがすくい上げただけのこと。
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