悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 そして、すくい上げることができたのは、一度目の人生の記憶があったからに過ぎない。レオンティーナが特に優れていたわけではないのだ。

「私は、彼らを見つけ出すことができて運がよかったのです――だって、そうでなければこの国はとっくに滅亡への道を歩み始めていたでしょうから」
「あの熱は、それほど危険か」
「……治療法が確立されていなければ、命を落とす者は多かったと思います」
「芋は大事か」
「もちろん。人間の身体は、栄養を取らなければだめになってしまいますもの」

 レオンティーナの言葉に、こちらもごく自然にダンスのステップを踏みながら、ファブリスは考え込んだ。

「――お前、本当に面白いな」

 この面白いは、誉められているのだろうか。どうにもそんな感じはしないけれど――。
 レオンティーナの困惑をよそに、ファブリスはうんうんとうなずく。
 そして、とんでもない話を持ち出してきた。

「お前、俺のところに来ないか? 年齢は離れていると言えば離れているが、十は離れていない。身分の点でも十分釣り合いが採れているだろう」
「そ、それは……」

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