悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く～破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます～ ２

　たぶん――これもまた推測にしかならないけれど――たぶん、前回の彼にとっては、ヴァスロア帝国を滅ぼすことによって、その劣等感を埋めたのだろう。
　今回の人生では、それが身分のある女性を妻に迎えるという方向に向かったのだ。彼の縁談についても、アーシア王国と結ぶのが吉と判断されれば、なんらかの動きがあるに違いない。
　だが、平和になったと思ったのは、一瞬のことだった。
だが、平和になったと思ったのは、一瞬のことだった。

「ヘイルダート王国が、ウルスラを狙って侵攻してきた」

　レオンティーナの元に、ウルスラ侵入の報せがロニーからの使いによってもたらされたのである。

（……でも、この知らせはすぐに皇宮に届けられるわね）

　ロニーからの知らせはすぐにレオンティーナのところに届けられたが、皇宮の監視の者もアンドレアスにはついているはずだ。
　レオンティーナが情報を先に知ることができたとて、皇宮から知らされるか、直接届けられるかの違いでしかない。

（ヘイルダート王国が、ウルスラを狙って侵攻してきた。あの地は、たしかに重要な場所ではあるけれどなんで、今なの）