悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 レオンティーナ自身、まだ、未熟だ。未熟以外の何物でもないし、自分の手が思っていたよりも小さいということを伯爵の地位を賜ってから知った。
 ――けれど。
 レオンティーナにも、ひとつ、できることがある。このまま、手をこまねいているわけにはいかない。

「ソニア、皇宮に行くわ。ギルベルト殿下にお会いしたいの。使いを出して」

ロニーからの知らせはすぐにレオンティーナのところに届けられたが、皇宮の監視の者もアンドレアスにはついているはずだ。ヴィルヘルムもすでに知るところだろう。
まずは――。
 ソニアを呼び、ギルベルトに時間を取ってもらえるかどうか確認する。
 使いが戻ってくるまでの間に、出かける支度をすませてしまうことにした。
 

 レオンティーナが、できるだけ早く会いたいと頼んだからか、午後には一時間だけ時間が取れるとギルベルトから返事が来た。
 青いドレスに着替え、大急ぎで皇宮に向かったレオンティーナは、ギルベルトと顔を合わせるなり切り出した。

「ギルベルト様は、ウルスラにヘイルダート王国が侵攻してきたという話はお聞きですか?」
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