悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「耳が早いね。皇宮にも先ほど届いたばかりだというのに」

 ギルベルトは、落ち着いた様子でレオンティーナに微笑みかける。

「それで、君は何が欲しいんだ? 僕にできることは、さほどないと思うんだけど」
「――殿下が、欲しいです」
「僕を?」
「はい、殿下のお力が――ウルスラを守るために、殿下のお力が必要です」
「……どうやって? 僕は、剣の腕は持ち合わせていないんだけど」

 レオンティーナの言葉に目を丸くしたギルベルトは、すぐに困ったような笑みに表情を変えた。

「戦(いくさ)というのは、剣だけでは勝負は決まりませんよね? もちろん、剣の腕も否定はしませんが、どこにどれだけの兵を送るのか、騎馬兵なのか歩兵なのか、食料はどうするか。それも大切なのでは?」
「それを考えるのは僕の仕事じゃない。将軍の仕事だ」
「もちろん、それは将軍の仕事ですけれど……殿下は――判断材料を提供することができます」

 素人(しろうと)考えなのかもしれない。だが、ウルスラは二十回も戦いの場になっている。
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