悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 入り口の前を守っている警護の騎士に、中に入れてもらえるように頼む。

「……どうした。珍しい組み合わせだな。レオンティーナは、ヴィルヘルムかルイーザと一緒にいることが多いと思っていたが」

 そこにいたのは、皇帝だけではなく、ヴィルヘルムもだった。
 ヴィルヘルムがここにいるとは思わなかったから、レオンティーナは焦った。

(……まさか、こんなところで顔を合わせるなんて)

 レオンティーナの登場に、ヴィヘルムの方も驚いているようだ。
 皇帝とヴィルヘルムの間には、一枚の地図が置かれていた。ウルスラ周辺の地図だ。

(ヴィルヘルム様が、出陣をすることになるのかしら……)

 今回の戦、皇子のうちの誰かが発つことになるのだろうか。

「父上、話があります。今回の戦――僕に行かせてください」

 今まで、ギルベルトがこのような申し出をしたことはなかったはずだ。だが、自分がここにいていいのかどうかわからず、レオンティーナはせわしなく視線を左右に走らせた。
 一礼し、そっと下がろうとしたレオンティーナを引き留めたのは、皇帝自身だった。

「ギルベルトをたきつけたのはそなたか」
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