悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「た、たきつけたといいますか……」
皇帝の前で、言い訳は通用しない。
ひとつ大きく息を吸い込み、レオンティーナは背筋を伸ばした。周囲を取り巻く空気が、ピンと張りつめたのを感じる。
「ギルベルト殿下と親しくお話をさせていただくようになったのは最近のことですが、ウルスラでの戦いにつき、ギルベルト殿下がお持ちの知識が役に立つのではないかと考えました」
「父上、レオンティーナが言っているのは……僕に軍を指揮しろという話ではなく、軍を指揮する将軍達に、考える材料を提供できるのではないかということなんだ」
「……つまり?」
ギルベルトに何ができるのか、皇帝にはわからなかったようだ。ギルベルトは、皇帝の前に歩み寄った。
「――もし、この道を敵が選んだのなら、二回目の戦の時と同じ状況です。この時――当時この地を治めていたラジカ王国の王は、こことここに兵を置いた。けれど、これは失敗――今は、道の様子も変わっているから、九回目の戦を参考に考えた方がいい」
「この道から来たら?」
歩み寄ったヴィルヘルムが、地図の上すっと指でなぞる。ギルベルトはヴィルヘルムの方に向き直った。
皇帝の前で、言い訳は通用しない。
ひとつ大きく息を吸い込み、レオンティーナは背筋を伸ばした。周囲を取り巻く空気が、ピンと張りつめたのを感じる。
「ギルベルト殿下と親しくお話をさせていただくようになったのは最近のことですが、ウルスラでの戦いにつき、ギルベルト殿下がお持ちの知識が役に立つのではないかと考えました」
「父上、レオンティーナが言っているのは……僕に軍を指揮しろという話ではなく、軍を指揮する将軍達に、考える材料を提供できるのではないかということなんだ」
「……つまり?」
ギルベルトに何ができるのか、皇帝にはわからなかったようだ。ギルベルトは、皇帝の前に歩み寄った。
「――もし、この道を敵が選んだのなら、二回目の戦の時と同じ状況です。この時――当時この地を治めていたラジカ王国の王は、こことここに兵を置いた。けれど、これは失敗――今は、道の様子も変わっているから、九回目の戦を参考に考えた方がいい」
「この道から来たら?」
歩み寄ったヴィルヘルムが、地図の上すっと指でなぞる。ギルベルトはヴィルヘルムの方に向き直った。