悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
ヴィルヘルムを見、そしてギルベルトを見た皇帝は、ゆっくりと頬を緩める。それから大きく数度うなずいた。
「ギルベルトは、歴史の研究に忙しいと思っていたが――いろいろと考えていたのだな」
「いえ、父上。僕にここに来るよう言ってくれたのは、レオンティーナですから」
皇帝の視線に射抜かれ、レオンティーナは息をつめた。やはり、余計なことをしてしまっただろうか。
けれど、立ち上がった皇帝は、レオンティーナの両肩に手を置いた。
「そなたは、親以上に息子達をよく見ているのだな」
「いえ、陛下。たまたま、知っただけのことです」
「だが、ギルベルトを遠征に行かせようとは思わなかった。そなたの発案は、国を動かすことが多いな」
「それは」
レオンティーナはうつむいた。きゅっと唇をかむ。
(それは、私が……あなたの後継者になりたいと思っていたから)
かつてのレオンティーナは、どの皇子もだめだと思っていた。皇帝になるには足りない、と。
だが、それは彼らを知らなかったレオンティーナの浅(せん)慮(りょ)だ。
「ギルベルトは、歴史の研究に忙しいと思っていたが――いろいろと考えていたのだな」
「いえ、父上。僕にここに来るよう言ってくれたのは、レオンティーナですから」
皇帝の視線に射抜かれ、レオンティーナは息をつめた。やはり、余計なことをしてしまっただろうか。
けれど、立ち上がった皇帝は、レオンティーナの両肩に手を置いた。
「そなたは、親以上に息子達をよく見ているのだな」
「いえ、陛下。たまたま、知っただけのことです」
「だが、ギルベルトを遠征に行かせようとは思わなかった。そなたの発案は、国を動かすことが多いな」
「それは」
レオンティーナはうつむいた。きゅっと唇をかむ。
(それは、私が……あなたの後継者になりたいと思っていたから)
かつてのレオンティーナは、どの皇子もだめだと思っていた。皇帝になるには足りない、と。
だが、それは彼らを知らなかったレオンティーナの浅(せん)慮(りょ)だ。