悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「ルイーザ様が行くなんて嫌です、そんな! どうして陛下もヴィルヘルム様も――もっと他の手があったでしょうに!」

 皇帝の決定に、レオンティーナが口を挟むなどあってはならないことだ。けれど、口にせずにはいられなかった。
 ルイーザがいなくなってしまう。
 レオンティーナの親友。幼い頃から、共に歩んできた親友が。
 溢れる涙を、どうすることもできない。ボタボタ、ボタボタと頬を伝い、床に落ちる。

「レオンティーナ・バルダート! 私の覚悟を甘く見ないで!」

 ルイーザの鋭い声に、レオンティーナは何も言えなかった。

「私が、私の意志で決めたのよ! 私にできることは何かって。それをあなたがとやかく言うの?」

 ルイーザの叱責に、レオンティーナはただ、首を横に振った。
 何も言えるはずがないのだ。わかっているのに――胸が痛い。
 無言のまま目を見開き、涙を流し続けるレオンティーナに、ルイーザは苦笑した。

「本当にあなたって、肝心なところで抜けているんだから。ファブリス陛下が、血筋のよい妻が欲しいと言っていたら、候補者なんて限られてくるじゃないの」

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