悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「だって、あの方、素敵じゃない?」
「……え?」
長い長い沈黙の後、レオンティーナはそれだけを絞り出した。素敵じゃない――素敵、素敵って誰のことだろう。
あまりの衝撃に、今の今まで滝のように溢れていた涙も、一気に引っ込んだ。
「あの、素敵……とは、もしかして……ファブリス陛下……?」
こわごわと、念のためにたずねてみる。頭ではルイーザの言いたかったことを理解したけれど、気持ちの方がついてきていない。
「ええ、他に誰がいるの?」
それなのに、ルイーザはけろりとして、レオンティーナの言葉を肯定してみせる。
「こう肩が広いところとか、たくましい胸元とか……あとね、耳の後ろに傷があるの! その傷を見るとここがきゅんとしてしまうのよ」
胸まで押さえて見せるが、あまりなことにレオンティーナは、呆然としてしまった。
「あ、あの、その傷は……いつ、どこで……?」
「この間、一緒に睡蓮を見に行った時に気付いたのよ。侍女達もきゃあきゃあ言っていたわ。あの野性味のある瞳も素敵よね! 恋愛小説の相手役みたいだもの!」
「は、はぁ……」
どんな反応を返せばいいのかわからない。
「……え?」
長い長い沈黙の後、レオンティーナはそれだけを絞り出した。素敵じゃない――素敵、素敵って誰のことだろう。
あまりの衝撃に、今の今まで滝のように溢れていた涙も、一気に引っ込んだ。
「あの、素敵……とは、もしかして……ファブリス陛下……?」
こわごわと、念のためにたずねてみる。頭ではルイーザの言いたかったことを理解したけれど、気持ちの方がついてきていない。
「ええ、他に誰がいるの?」
それなのに、ルイーザはけろりとして、レオンティーナの言葉を肯定してみせる。
「こう肩が広いところとか、たくましい胸元とか……あとね、耳の後ろに傷があるの! その傷を見るとここがきゅんとしてしまうのよ」
胸まで押さえて見せるが、あまりなことにレオンティーナは、呆然としてしまった。
「あ、あの、その傷は……いつ、どこで……?」
「この間、一緒に睡蓮を見に行った時に気付いたのよ。侍女達もきゃあきゃあ言っていたわ。あの野性味のある瞳も素敵よね! 恋愛小説の相手役みたいだもの!」
「は、はぁ……」
どんな反応を返せばいいのかわからない。