悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「――ハルディール夫人のお供をしてほしいんだ」
「ハルディール夫人……? お供って、どこに?」
皇妃の地位を失ったハルディール夫人は、幽閉されている。レオンティーナの知る限りでは、生涯幽閉されたままで出かけることなどできないはずだった。
幽閉場所を変えようというのだろうか。けれど、レオンティーナの予想は違っていた。
「ターナジアに行ってほしい」
「……え?」
父の口から出てきた地名に、思わず目をみはる。それは、アンドレアスが今治めている地方の名だった。
「なぜ? ハルディール夫人はアンドレアス殿下と一緒に暮らすことになったの?」
「いや……それが、アンドレアス殿下は、行方が知れないんだ。ザリロッド王国は、我々が殿下を暗殺したのではないかと疑っている」
「――そんな!」
たしかにアンドレアスは、将来の皇帝となる資格は剥奪された。だが、皇子としての地位は失われていないし、皇帝の息子であるという事実も変えようがない。
罪の償いをしている最中であり、皇帝も彼の姿勢が変わったことを認めているようだ。帝国側にアンドレアスを暗殺する理由などない。
「ハルディール夫人……? お供って、どこに?」
皇妃の地位を失ったハルディール夫人は、幽閉されている。レオンティーナの知る限りでは、生涯幽閉されたままで出かけることなどできないはずだった。
幽閉場所を変えようというのだろうか。けれど、レオンティーナの予想は違っていた。
「ターナジアに行ってほしい」
「……え?」
父の口から出てきた地名に、思わず目をみはる。それは、アンドレアスが今治めている地方の名だった。
「なぜ? ハルディール夫人はアンドレアス殿下と一緒に暮らすことになったの?」
「いや……それが、アンドレアス殿下は、行方が知れないんだ。ザリロッド王国は、我々が殿下を暗殺したのではないかと疑っている」
「――そんな!」
たしかにアンドレアスは、将来の皇帝となる資格は剥奪された。だが、皇子としての地位は失われていないし、皇帝の息子であるという事実も変えようがない。
罪の償いをしている最中であり、皇帝も彼の姿勢が変わったことを認めているようだ。帝国側にアンドレアスを暗殺する理由などない。